これらの取り組みに共通するのは、従来の延長線上の思考から脱却し、より開かれた未来思考を社会に実装しようとする強い意志である。政府機関の構造的なリスク回避傾向や企業における目先重視の投資傾向など、現実的な制約を踏まえつつ、それらを克服する具体的な手法を提示している点で、単なる理論提案を超えた実践的価値を有している。

今後、これらのプロジェクトがどのような成果を生み出し、日本社会における意思決定文化の変革にどの程度貢献するかは、未来洞察手法の社会実装における重要な試金石となるであろう。未来デザイン・ラボを中心とした日本総研の取り組みは、不確実性の時代における新たな政策形成・企業経営のモデル構築に向けた、極めて意義深い社会実験として位置づけることができそうだ。

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

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