しかし24年以降、わが国でもSNSの動向がリアルの投票行動を左右する変化が生じている。SNSにおけるサイバーカスケード(ネット上の特定意見が雪崩的に大きな流れをつくる現象)を利用し、世論を引き寄せる手法もある。1回目の党員票で勝負を決したい高市陣営にとっても、SNS戦略は特に重要となる。

総理総裁としての適格性・人間性は総裁選以前からの言動を踏まえて理解されるものだが、選挙中の広報によるイメージ形成も重要だ。

茂木氏は明晰な頭脳でクイズに答える姿や料理姿、小林氏は盆踊り、林氏はピアノ演奏をアピールする動画配信がよく見られているが、44歳の小泉氏は就任すれば初代首相・伊藤博文と並ぶ「最年少宰相」、高市氏は「史上初の女性宰相」になるという圧倒的な話題性がある点で優位に立つ。

小泉氏はその上、配偶者の滝川クリステル氏の知名度も高い。

前回の総裁選は、1回目の投票で高市氏が首位に立ったが過半数を超えず、国会議員票の比重を高めた決選投票で石破氏が逆転勝利を収めた。

この番狂わせは確かに自民党のダイナミズムを表すものであったが、同時に、その後の2度にわたる国政選挙敗北で、かつてないほど自民党を弱体化させるという予期せざる結果をもたらした。

この1年で急速に進んだ民意の分断は、わが国における民主政の土台を切り崩している。これから選ばれる新総裁は自民党復興の先頭に立つだけではなく、日本政治再生の重責も担うことになる。

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