極貧育ちで高卒叩き上げの公認会計士

極貧育ちで高卒叩き上げの公認会計士。茨城出身。元NHK党。様々な経歴が語られる佐藤氏だが、最も本質を突いているのは「ユーチューバー」と言う言葉だろう。37.9万人の登録者数を誇るYouTubeの公式チャンネルでは、公認会計士の知見を活かした金融所得課税や新NISAの解説から、兵庫県知事やトランプ大統領といった時事問題まで、硬軟取り混ぜた話題を歯切れよく切っていく動画がてんこ盛りだ。税金や補助金の「闇を暴露」するといった動画界隈でお約束のコンテンツも忘れていない。

他方で、佐藤沙織里氏はこれまで千代田区を地盤にした選挙に出続けている。2023年4月の千代田区議選に33歳でNHK党から初出馬した際は291.3票に終わった。しかし2024年10月の衆院選では東京1区(千代田・新宿区)から無所属で出馬、「小さな予算で豊かな国を」「やるぞ日本」というスローガンを掲げて1万2255票を獲得(4位)。2025年2月の千代田区長選では「千代田を減税特区に」と訴えて6474票で次点につけた。こうした地道な政治活動が、地元での認知度を徐々にではあるが高めてきた。その勢いの延長線上に今回の都議選がある。

千代田区長選ではYouTube上の人気番組ReHacQで生配信された候補者討論会に出演し注目を集める等、リアルでのイベント(選挙)をソーシャルメディアにおける露出とリンクさせ、その相乗効果で佐藤氏を応援する柔らかなファンダムが形成されていくという勢いも存在した。全国のファン層は主にビジネスで使われるチャットアプリのSlackを使って連携を取り、選挙活動を支援。今回の都議選でも大量の動画が撮影・編集・配信されシェアされた。

そうした勢い(モメンタム)に乗った上で、「日本が中国の6つ目の星になってほしくないし、アメリカの51番目の星にもなってほしくない」という「ナショナリズム」を今回の都議選では正面から出してきた。これは、かねてからの佐藤氏の持論である「減税」と並んで、2025年現在のSNSで最もウケが良い鉄板の主張だ。つまり現代のSNS選挙戦略上、必要とされている大抵の要素が佐藤沙織里氏にはあったと言って良い。

ユーチューバーが組織に勝った理由
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