実態に合わない公選法
今回の事件でクローズアップされたのは、これまで黒子の存在だった選挙コンサルタントの報酬という問題だ。
アメリカでは、大統領選でドナルド・トランプ陣営がストラテジック・メディアサービス社に約1391万ドル(約21億円)を支払った(NPOオープンシークレットによる)ように、選挙コンサルが一大産業を形成し、選挙運動で主導的役割を果たしている。
そうした選挙コンサルが日本で大きく育たないのは公選法の「選挙運動無償原則」の存在が大きい。主体的・積極的に選挙運動に携わる人全てが手弁当という建前はいかにも苦しい。1962年には議員立法で公選法が改正され、本来であれば報酬を受け取れない選挙運動員のうち、「選挙運動のために使用する事務員」が例外として認められ、その後、車上運動員(いわゆるウグイス嬢)、手話通訳者、要約筆記者に拡大された。こうした例外規定をさらに拡大させるか、あるいは選挙コンサルの登録制を導入して会計・業務報告を義務付けるといった「業務の適正性と透明性」を同時に確保するような法改正が必要ではないか。あまりに複雑化した公選法が選挙の現場で理解されていないのは不幸だ。
(筆者は元国会議員政策秘書)
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