ここには今回の発言との類似性、同型性が見て取れるだろう。つまり、被害者や弱者に見える人々、あるいは彼らの支援者の中にこそ、「悪意」や「嘘」を見いだすという構図だ。かわいそうな見た目にだまされてはいけないというわけである。

実のところ、こうした見方はありふれたものだ。

2017年、神奈川県小田原市の職員たちが、「保護なめんな」「もし彼らがわれわれをだまして不正に利益を得ようとするなら『私たちはあえて言う、彼らはクズだ』」などとローマ字や英語で記したジャンパーを着て、生活保護利用者宅の訪問を含む業務に従事していた件は、今も記憶に残る。

梅村氏は「自分が何とかしなければという正義感や善意」という言葉で、外国人の支援者たちを皮肉った。ならば彼女は彼女で、自らの「正義感や善意」で自分の目が曇ってはいないか、問い直していただきたい。

例のジャンパーにはこうも書かれていた。「われわれは『正義』だ」

(編集部注:原稿執筆後の5月18日、日本維新の会は梅村みずほ氏を参院法務委員から更迭すると発表した)

<2023年5月30日号掲載>

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 日本の高齢者施設ランキング
2026年8月4日号(7月28日発売)は「日本の高齢者施設ランキング」特集。

民間介護施設250/療養型病院200/リハビリテーション病院300――世界視点で評価された日本の施設を一挙紹介。[PLUS]和田秀樹:失敗しない施設選び/いとうまい子:介護と健康寿命と研究と

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます