[フランクフルト 13日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は13日の理事会で、主要政策金利を据え置くと同時に、景気の下支えを目的とした2兆6000億ユーロ(2兆9500億ドル)規模の量的緩和(QE)を終了させることも正式に決定した。ただ保有債券の償還資金の再投資については、初めての利上げが実施された後も長く継続するとの方針を示した。
ドラギ総裁の理事会後の記者会見での発言は以下の通り。
<QEは唯一のけん引役>
(過去4年の)期間、量的緩和(QE)が時として景気回復の唯一のけん引役だったことは間違いなく、QEがいかにして金融状況を変えたかを示す数字は数多くある。
<利上げ時期>
(利上げ時期について)われわれは討議していないが、ガイダンスを見れば、統計や経済状況次第であると分かるだろう。
市場の金利見通しは経済状況全般に関する市場の見方であることに留意する必要がある。
<LTRO>
長期流動性供給オペ(LTRO)は一部の(理事会)メンバーによって言及された。ただ実質的には(LTROについて)それほど議論したわけではない。われわれはLTROが金融政策のもう一つの手段であると考えている。そのため、われわれはLTROに関する検討を続けていく。
<「期間延長」のガイダンス示さず>
最初の質問(再投資の期間延長について)に対しては、議論しなかったというのが答えだ。別の見方をすれば、われわれが期間の長さを特定することを望んだとしたら、われわれはそうしていただろう。
<通商情勢は改善>
最近の発言に基づく通商情勢はおそらく2カ月前より改善している。また一部の新興国市場における足元の脆弱性も2カ月前より緊急性や危険性が低下しているようにみえる。 ただ他に台頭しているものもある。
<全般的な不透明感>
全体的な雰囲気は、全般的な不透明感の広がりを特徴付けるものになっている。それらは時として様々な現象という形で現れている。
<回復のけん引役さえず>
景気回復のあらゆるけん引役を見ると、弱まっていることは間違いない。しかし弱まっているだけで一度きりということではない。
<再投資戦略>
償還資金は、償還した国に再投資するが、国をまたいだポートフォリオ配分は、公的部門証券買い入れ(PSPP)の割合を、加盟国の出資比率に応じて買い入れる「キャピタルキー」規定により合わせる観点で調整を続ける。
<総合インフレ低下へ>
総合インフレは向こう数カ月にわたって低下する公算が大きい。
<基調的なインフレ抑制>
基調的なインフレ指標は引き続き、おおむね抑制されているが、高水準の能力活用状況や労働市場の引き締まり、それに伴う賃金の伸び押し上げがみられる中、国内インフレ圧力は強まり、拡大し続けている。
<中期インフレ上昇>
今後を展望すると、ECBの金融政策措置や継続中の景気拡大、賃金の伸びを追い風に、基調的なインフレは中期にわたって高まる見通しだ。
<成長リスクはおおむね均衡>
ユーロ圏経済の成長見通しを巡るリスクは、おおむね均衡していると引き続き判断することができる。
しかし、地政学的要因を巡る先行き不透明性が払しょくされないこと、保護主義の脅威、新興国市場の脆弱性、金融市場のボラティリティーを踏まえると、リスクのバランスは下向きに傾きつつある。
<輸出>
世界経済の活動は引き続き拡大が見込まれ、ペースは減速するもののユーロ圏の輸出を後押しするとみられる。
<政策手段調整の用意>
理事会はインフレが持続的な調子で引き続き目標に向かうことを確実にするべく、必要に応じてあらゆる政策手段を調整する用意がある。
<大幅な金融刺激必要>
域内物価圧力をさらに高めるとともに中期的な総合インフレ動向を後押しするため、大幅な金融刺激が依然必要となる。
<不透明性が顕著>
地政学的要因や保護主義の脅威、新興国市場の脆弱性、金融市場の変動に絡む不透明性が依然顕著だ。
<物価は目標へ収束と確信>
純資産買い入れ終了後も(基調的な力強さが)根拠となり、インフレ率が目標に向かって持続的に収束していくとの確信に変わりはない。
<統計は予想下回る>
入手した情報は軟調な外需を反映し予想を下回っているが、国や業種に絡む諸要因や域内需要の基調的な力強さが域内経済の拡大を引き続き後押しするとともに、物価圧力を徐々に高めている。