この評価は、ウクライナ戦争以前から同様であり、ウクライナという国の政治体制の本質的問題と考えて良い。したがって、政府が巨大化する戦時体制が長期化することで、腐敗が更に深刻化していく未来は想像に難くない(ウクライナは2022年評価で113位、ロシアは137位で腐敗度としてはほぼ変わらないレベルだ。)
賛否が分かれる問題だが、ロシアに対抗するための国際社会による軍事協力に関しては一定の価値は認めることはできる。しかし、元々の汚職大国に対して、日本政府が納税者負担を前提とし、日本企業に大規模投資を推奨する行為は正常な判断ではない。
ウクライナ側のニーズを踏まえて支援すると言えば聞こえは良いが、そのような対応をすれば際限のない民間資本投資を要求されることは明らかだ。平時において絶対に実施することがない汚職国に対する大規模投資を戦時中に実行することは、日本国民の税金を事実上譲り渡すことに等しい。日本政府は政策判断の優先順位を間違っている
米国は対外政策に関して優れたインテリジェンス能力や軍事展開能力を持っている。その米国の中ですらウクライナに対する支援継続に関する議論は割れている。今年の米国大統領選挙及び連邦議会議員選挙次第では、ウクライナに対する支援の文脈にも大きな変更が生じる可能性もある。日本が現時点で時期尚早な判断を主導することは望ましくない。
日本には自らに対する軍事的な脅威として、極東地域で自らの軍事力を上回る中国と相対している。また、北朝鮮という核を持った独裁国、ロシアの極東艦隊も存在している。
ウクライナの復興支援に対する民間投資は、ロシアの脅威を若干弱めることに間接的に繋がるかもしれないが、それよりも直接的な防衛力強化を図ることのほうが自国防衛に遥かに効果的であることは議論の余地もない。
まして、日本政府は主に中国の軍事的脅威に対抗するため、日本政府は防衛費を二倍増させる決断を下し、その財源のうち約1兆円を日本国民に対する増税によって賄うことを予定している。本来、他国に資金をばらまいている余裕など無いはずだ。
最後に、日本は1月1日に見舞われた能登半島震災によって、自国内の地域に対する多額の復興支援費が必要とされている。自国の復興こそが第一優先であることは明白だ。
日本政府は政策判断の優先順位を全く間違っていると言えるだろう。
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由