インド太平洋地域版のEUのような政治的な枠組みを創造する狙い
中国の経済力が強大になる中、従来型の安全保障や経済連携の枠組みのみでは、インド太平洋地域から自由主義・民主主義の価値観が薄まってしまうことになるだろう。そのジリ貧の状況を逆転するためには、従来までの延長線上の枠組みと交渉を超える必要がある。
IPEFは経済枠組みと謳ってはいるものの、従来までは十分に共有されているとは言えなかった非欧米圏での価値観に基づく政治同盟の枠組みに発展していく可能性がある。IPEFの交渉の先には、インド太平洋地域版のEUのような政治的な枠組みを創造する壮大な狙いが見え隠れする。
IPEFはインド太平洋地域の未来を変える壮大なビジョンを秘めた提案である。バイデン大統領はそのIPEFの発表を日本で行ったことの意味は極めて重い。日本側が米国のパートナーとしてこの提案に対して積極的に応答を示していくのか。バイデン政権から重要な問いかけがなされたと言えるだろう。