アメリカとの関係は不利益の方が多い?

バイデン政権は1月にはエジプトに対し、「人権上の懸念」を理由に1億3000万ドルの軍事支援の凍結を発表した。サウジアラビアはアメリカからの原油増産要請を拒否している。エジプトもサウジも中東における伝統的なアメリカの同盟国だが、その関係はオバマ政権時代のように冷え込みつつある。

アフガニスタンにおけるタリバン復権は、アメリカは頼りにならないという印象を中東諸国に与えた。ロシアのウクライナ侵攻を受け、アメリカの同盟国であることは利益より不利益を多く生むのではないかという懐疑も芽生えつつある。

中東では親米国家もロシアや中国と強い結び付きを持つが故に、両国からの圧力を免れない。ロシアは制裁回避のため中東との経済関係を強化する可能性もある。

今ある同盟関係の弱体化や崩壊は、既に揺らぎつつあるアメリカを中心とする世界秩序の崩壊を加速させる。それは中東で既に始まっているかもしれない。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 ベトナム化するイラン戦争
2026年9月1日号(8月25日発売)は「ベトナム化するイラン戦争」特集。

曖昧すぎる目標、敵国の軽視、自国軍事力への過信……長期化・泥沼化したベトナム戦争との共通点

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます