文政権は、今まで不動産価格を安定化させるために規制を強化してきた。今後も投機を抑制するために、公共部門を中心に再開発や再建築を進め、不動産関連税率も現在の水準を維持する方針である。なぜか強硬策に偏っているような気がして心配である。

今年と来年の住宅の建設量を大きく増やせないことを考えると、住宅市場に供給量を増やすためには多住宅保有者の積極的参加を誘導する必要がある。そのためには強硬策のみならず懐柔策も必要だろう。

さらに、冒頭で言及した韓国土地住宅公社の新都市土地投機疑惑により、国民の多くは不公平感や怒りを感じている。不公平感や怒りは心の病気である「鬱憤※」につながる恐れがあり、「鬱憤」を感じる人が増加すると、与党「共に民主党」が今年4月のソウル、釜山のダブル市長選のみならず、来年の大統領選挙で受ける打撃は大きいだろう。韓国政府は、間違いを寛大に受け止め、国民が求める公正な社会を実現し、国民の鬱憤を解消するために、骨身を削る努力をしなければならない。

※鬱憤:ドイツのシャリテ大学のミハエル・リンデン教授や研究チームは、鬱憤を「外部から攻撃されて怒りの感情ができ、リベンジしたい気持ちになるものの、反撃する力がないため、無気力になり、何かが変わるという希望も無くなった状態に屈辱感まで感じる感情」であると定義している。

■文政権の主な不動産政策
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※本稿は、「高騰続く韓国マンション価格 文在寅政権の対応>後手に」『週刊エコノミスト』 2021 年 4月6日号 に掲載されたものを加筆・修正したものである。

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