英国の政界は政権党(「女王陛下の政府」)と最大野党(「女王陛下の影の政府」)が、選挙結果を反映させて政権交代する制度を取っており、野党の最大の目的は政権党を批判すること。互いに落としどころを見つけ、協力して政策を作り上げる習慣はない。

現在の英議会の混迷には、対決型政治の仕組みも影響していそうだ。

メイ首相は27日、保守党平議員の会議に出席し、政府案への支持を懇願した。もし支持が得られるなら、「退陣」も示唆した。会議室の中で涙を流す議員もいたという。メイ氏個人への同情心が刺激されるエピソードだが、「密室内の談合」を思わせる。

自分の首をかけるまで必死なら、なぜ首相就任時からすぐに、他党や残留支持者にも手を差し伸べて国内の意見を集約させ、大体の合意を作らなかったのか。なぜ2度も大差で否決された政府案を一切変えようとしないのか。現時点で代案をまとめられない下院はふがいないが、どんな離脱をしたいのかについて、一切関与を否定されてきた経緯がある。メイ首相の頑迷さも院内の合意作りにブレーキをかけたのではないか。そんなことを感じている。

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※4月2日号(3月26日発売)は「英国の悪夢」特集。EU離脱延期でも希望は見えず......。ハードブレグジット(合意なき離脱)がもたらす経済的損失は予測をはるかに超える。果たしてその規模は? そしてイギリス大迷走の本当の戦犯とは?