だいたい、学校でイジメをする子を「ブラック生徒」と呼んだら、イジメをしない子を「ホワイト生徒」と呼ぶのでしょうか。そんなことをしたらほとんどの生徒がホワイトになってしまうので、無理やり「学校行事に自ら率先して協力する生徒」「困っている子に積極的に声を掛ける生徒」とかの基準を作ることになるのでしょう。違和感ありありです。

「ホワイト企業ランキング100」なるものが毎年公表されるほど、「ホワイト企業」も一般的な名称になりつつあります。社会システムを正しく理解していない学生たちに妙な「物差し」を与え、判断基準にバイアスをかけるだけです。やめてもらいたい。

離職率が低ければいいのか? ノルマが緩ければいいのか?

ホワイト企業の定義の一つに「離職率」「ワークライフバランス」があります。若者の離職率が低ければいいのか? ワークライフバランスが整っていればいいのか? 離職率を減らすことを目標にするなら、誰でもできます。ワークライフバランスを整える職場にしようとするもの一緒。簡単です。

そもそも、そのようなことを支援する経営コンサルタントが存在しますか? ほとんどいません。なぜなら、誰でもできることだからです。簡単だから、需要がないのです(あったとしても、講演のオファーがあるだけです)。

多くの経営コンサルタントは、「いい会社」「優良企業」になってもらいたくて、財務や人事、労務、マーケティング......といった切り口で企業を支援します。離職率を落とすことを目標にしたり、ノルマを緩くする支援をする経営コンサルタントなど存在しません。

経営も同じです。

「ホワイト企業」と「優良企業」は違う

そもそも、なぜ「ホワイト企業」という言葉は登場したのでしょうか? 

「ブラック企業」を敵対視する専門家が、経営とは何か? ビジネスとは何か?を知らず、感情的に作った造語が、知らず知らずのうちに広まったせいではないかと私は考えています。

本来、優良企業とは、財務が健全で、長期にわたり安定的に収益を出せるビジネスモデルがあり、社会に貢献している企業のことです。まず、そのような優良企業になることが大切です。

集合ベン図を描けばわかるでしょう。

ホワイト企業は優良企業と限らない