イギリスにとっての見えないコスト

それは同時に、大陸で影響力を強める中国やロシアに対する牽制にもなる。ルワンダは中ロとも良好な関係にあり、とりわけ中国は最大のビジネスパートナーだ。それは欧米への牽制になるが、欧米との強い関係がなければ逆に中ロに呑み込まれかねない。

これらを考えれば、ルワンダ政府にとって多少無理をしてでも “転送” に合意することは、資金援助以上の価値があるともいえる。

その裏返しで、イギリスにとってのコストは一人3000万円では済まない。

難民申請者を実際にルワンダに “転送” する費用を考えれば、イギリス政府が実行に踏み切るか、あるいは踏み切ったとしてもどの程度の規模になるかは不透明だ。

しかし、「厄介払い」のためにイギリス政府が白を黒と言いくるめるような主張を展開してきた事実は消えない。それはイギリスのいう自由や人権に対する信頼を損ねるもので、ガザ侵攻への対応などをめぐって高まる「ダブルスタンダード」批判を加速させかねない。

そちらのコストの方が長期的にはむしろ大きいとさえいえるだろう。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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