ルカシェンコにとって大きな問題は、こうした極右の抗議活動にロシア人も混じっていることだ。ルカシェンコは2020年1月、「政情不安を画策する外国人を逮捕した」と発表した。これはロシアのワーグナー・グループ(白人極右団体で傭兵集団でもある)メンバー33人だった。
ロシアは工作活動を否定している。
しかし、先述のように、ロシアとの関係にすきま風が目立つなか、ルカシェンコが欧米との関係改善に着手してきたことを思い起こせば、これまでにないほどのベラルーシの混乱に乗じてロシアが干渉しても不思議ではない。それは「裏切ったり、足を引っぱったりするなら潰す」というルカシェンコへの圧力になる。
ロシアには「ルカシェンコがいなくなってもベラルーシはロシア寄りにならざるを得ない」という目算があるとみられる。
こうして崖っぷちの「独裁者」はロシアの顔色をうかがい、ウクライナ侵攻に手を貸さざるを得ないわけだが、それは結果的に欧米からの圧力をさらに強め、ルカシェンコはますます崖っぷちに追いやられることになる。
歴史を振り返ると、「独裁者」がいなくなった後に底なしの混乱に陥ることは珍しくない。ウクライナ侵攻はベラルーシの今後をも左右しかねないのである。
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