「ディープステートがケネディを暗殺した」
トランプは14年前、当時のバラク・オバマ大統領の国籍に関する陰謀論を執拗に広めることにより、アメリカ政治で頭角を現していった。トランプと共和党は、その後もさまざまな陰謀論を利用して支持基盤を固めてきた。CIAなどの「ディープステート(影の政府)」がケネディを暗殺し、今も水面下でアメリカを動かしているという陰謀論は、その1つだ。
今回公開が命じられたケネディ暗殺の関連文書は約3000点に上るが、驚くようなものは含まれていないだろうと専門家は考えている。それでもトランプの支持者は、文書に何が書かれているかに関係なく、文書が公開されたことを理由に、CIAが暗殺に関わっていたと考えるだろう。
研究者やジャーナリストの間では、共和党支持者のほうが民主党支持者より陰謀論を熱烈に支持するという見方が一般的だ。
この点を最初に指摘したのは、歴史家のリチャード・ホフスタッターによる63年11月(くしくもケネディが暗殺されたのと同じ月だ)の大学での講演だった。
ホフスタッターいわく、過剰な猜疑心と陰謀論はアメリカ政治史の際立った特徴であり、そうした疑心暗鬼は共和党支持者の間でとりわけ強い。
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