現在の国有企業改革は、規模の拡大を追い求めることにとどまり、「競争を導入した効率改善」という考え方が後退しているように見えてなりません。国有企業がますます巨大化していけば、ベンチャーや民間企業の参入はより難しくなっていくでしょう。「国進民退」とは政策の恩恵が国有企業に集中し、民間企業は蚊帳の外に置かれていることを表しますが、この改善は難しいと言わざるを得ません。

 

 実は、ある程度の成長率を維持することと、国有企業改革を大胆に進めないことには、「雇用維持」という一つの共通した背景があります。習近平政権は経済政策運営上、安定した雇用を最も重視し、そして人々の生活が前の年よりも良くなっていると実感できることが、同政権への支持につながっています。

 競争の結果は、優勝劣敗です。例えば、重工業分野のある大型国有企業が敗者となった場合、従業員が再雇用先を見つけるのは容易ではありません。「安定した雇用=共産党政権への支持」を損なう可能性のあることはなかなか実行することができないところに中国が抱えるジレンマが浮かび上がります。