<労働党のスターマー政権や最大野党・保守党からも「反移民」を煽るような発言が出るようになり、難民申請者と支援者が攻撃の標的になる事件も発生している>

[リバプール発]9月28日~10月1日リバプールで開かれた英労働党年次党大会のアジェンダの一つに難民問題がある。「難民申請者と支援者も標的にされている。それは不穏な新たな現実だ」と英国難民協議会のエンヴァー・ソロモン最高経営責任者(CEO)は危機感を募らせる。

「新興の強硬右派ポピュリスト政党、リフォームUK(改革英国)のナイジェル・ファラージ党首に『反移民強硬策』で勝負しようとしても無駄だ。労働党指導部も遅かれ早かれ気づくことになるが、自らの党の価値観と不可分に結びついたビジョンを示さなければ選挙には勝てない」

ソロモン氏は「難民や亡命希望者を人間としての尊厳を持って公正に扱い、彼らの訴えをきちんと聞くことは、もし自分がその立場に置かれたら当然求める扱いだ。これこそ労働党の核心的な価値観だ。改革英国党とほとんど同じと思わせる言説は今すぐやめるべきだ」と訴える。

「小型ボートでドーバー海峡を渡る男はすべて危険」

「小型ボートでドーバー海峡を渡る男はすべて危険で女性や少女を虐待する恐れがある」というストーリーがSNSで瞬時に広がり、既成事実化する。最大野党・保守党のケミ・ベーデノック党首は「茂みに潜む難民を恐れて女性は公園でジョギングするのをやめた」と恐怖を煽る。

永住権を得た数百万の移民の地位・権利・将来を脅かす
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