<英ポストオフィスで起きた大量冤罪事件についての報告書が公表され、⾃殺未遂や精神病院への入院など被害者たちが味わってきた苦しみとその規模が明らかに>

[ロンドン発]富士通が英ポストオフィスに納入した勘定系システム「ホライズン」の欠陥が原因で民間委託郵便局長(以下、局長)らが大量に冤罪に陥れられた事件で、公聴会のウィン・ウィリアムズ議長(元判事)は7月8日、226日間にわたり788人の証人と228万3717ページにのぼる文書を調べた報告書の第1巻を公表した。

ポストオフィスは郵政民営化で切り離された郵便事業の窓口を担当する国営企業。監督責任は英国政府にある。

「ホライズンのデータへの誤った依存により被害を受けた人の数を正確に把握することはできない。金銭的補償制度の対象となる請求資格を持つ人は現在約1万人に達している。今後数カ月の間に少なくとも数百人、場合によってはそれ以上に増加する可能性が高い」とウィリアムズ議長は被害の広がりを指摘した。

報告書によると、59人の被害者が苦しみのあまり自殺を考え、このうち10人が自殺を試みた。中には複数回自殺しようとした者もいた。被害者の1人は「精神的ストレスはあまりにも大きく、精神的に参ってしまった。さらにうつ状態に陥り、アルコールに頼るようになり何度か⾃殺未遂を起こして精神病院に2度入院した」と証言している。

ポストオフィスは「データは常に正確」との虚偽の主張に執着
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