「動議、法案。その次は」

昨年11月の演説で「たとえそれが一時的なものであったとしても一般的に敬遠されているAfDの支持を受けて政策を可決することには反対だ」と明言していたメルツ氏の転向にメルケル氏は「AfDの票で多数派を目指すのは間違っている」と後継者を痛烈に批判した。

アンナレーナ・ベアボック外相(緑の党)も「自分の家を燃やすのに鉄球で防火壁を壊す必要はない。穴を開け続けるだけで十分だ。動議、法案。次は何が来るのか」と強い懸念を示した。メルツ氏の政治的打算がナチスと同様、AfDのさらなる台頭を招くのか。

2月2日、ベルリンのブランデンブルク門に約16万人が集まり「われわれは防火壁だ。AfDとは協力しない」「メルツよ、恥を知れ」と書かれた横断幕が掲げられた。欧州政治において極右勢力の影響力はもはや無視できない。民主主義の原則が損なわれるとの懸念が深まっている。

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