「サッカーの世界は女性のためのものではなかった」

サン紙によると、両親は「サッカーがしたいならサッカーをしなさい」と応援してくれた。1970年代、UEFAが全加盟国に女子サッカーへの投資を義務づけ、サリーナは女子チームのあるクラブに移籍した。「小学校の時は体育の先生になりたかった。サッカーの世界は女性のためのものではなかった。監督になれるとは思わなかったから」と振り返っている。

89年、米ノースカロライナ大学の女子チームでプレーし、女子サッカーが盛り上がる米国の熱気に触発される。「米国にあるものをオランダでつくることに貢献できたら私は幸せになれると思ったの。でも20年かかったわ」とサリーナはサン紙に語っている。オランダに続いてイングランドでも実力を見せつけたサリーナはサッカー界の天井を破ろうとしている。

サリーナは今大会、ラウンド16で敗退した米国女子代表監督の最有力候補に挙げられている。イングランドサッカー協会(FA)のマーク・ブリンガムCEO(最高経営責任者)は男子代表のガレス・サウスゲート監督が退いたあと、サリーナを候補として検討すると語った。「人々は常にその仕事に最適な男性と言う。しかし、なぜ男性でなければならないのか」と。

ライオネスはW杯終了までFAとのボーナス交渉を中断した。「私たちは一丸となって、サッカーを成長させるという強い責任感を感じている。今は大会に集中する一方で、タックルやパス、ゴールの一つひとつがピッチの外で私たちが取り組む活動に貢献すると信じている」。天井を打ち破るという使命感と気概がライオネスを初優勝に向けて突き動かしている。

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