新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?

2020年4月10日(金)14時15分
ハナ・オズボーン

さらに彼はこう続けた。「アメリカ以外の国や地域での検索トレンドを見ても、目の痛みがCOVID-19のひとつの症状であることを示す証拠がいくつかある。スペインでは2月半ばから3月半ばにかけて、目の痛みに関する検索がそれまでの4倍以上に増えた。イランでも3月に、目の痛みに関する検索がそれまでの約1.5倍に増えた。イタリアでは3月、「焼けるような目の痛み」の検索件数が普段の5倍に増えた」

スティーブンズ・ダビドウィッツは、こうした検索は花粉の多い地域に集中している訳ではないため、アレルギーとは関係なさそうだと指摘。また、自宅でデジタル機器を使う時間が増えていることも、検索データとは関係なさそうだと述べた。「臭いを感じなくなる」などの症状に関する検索ほど多くはないが、「目の痛みはCOVID-19の症状として考えられる」という。「医師や公衆衛生当局者は、COVID-19と目の痛みの関係を詳しく調べるべきだ」

新型コロナウイルスは、目から感染する可能性があることが分かっており、WHO(世界保健機関)と米疾病対策センター(CDC)はいずれも、洗っていない手で目を触らないように勧告している。米国医師会報の眼科専門誌に近く発表される予定のある研究報告は、涙を介して感染が広まるリスクは低いとしているが、米国眼科学会(AAO)は「結膜炎の症状があるCOVID-19患者の涙から、新型コロナウイルスのRNAが検出された例はある」としている。

米国眼科学会の見解によれば、目の痛みは新型コロナウイルス感染の「特異的な」症状という訳ではなさそうだ。それでも同学会は眼科医らに対して、結膜炎とCOVID-19に関連がある可能性については認識しておくべきだと勧告。「結膜炎はよくある症状で、患者が眼科医院や救急外来を訪れるケースも多いため、COVID-19に感染している可能性のある患者を最初に診るのが眼科医になることもあり得る」と指摘し、「患者がCOVID-19に感染して結膜炎の症状が出ている場合、その患者の目の分泌物にウイルスが含まれていることも(証明はされていないが)考えられる」と警告している。

(翻訳:森美歩)

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