新型コロナウイルスでマニラ事実上の首都封鎖 初日の検問所には軍も動員、テロ警戒か

2020年3月15日(日)21時30分
大塚智彦(PanAsiaNews)

バギオでは日本からの帰国者が要観察に

またルソン島北部に位置する高原都市、コルディリェラ行政地域バギオ市では15日、インターネットなどで新型肺炎の感染者が確認されバギオ病院に収容されているとの情報が流れた。

しかし現地マスコミ関係者やバギオ在住フィリピン人などによると、感染者確認の事実はこれまでのところないものの、要観察者が数人いることがわかった。

この要観察者は2月下旬まで日本に滞在していたフィリピン人女性とその家族といわれ、帰国後に2週間の自主的隔離をすることなく、バギオの展覧会などに参列していた。その後体調の悪化を訴えたことから念のために観察を続けているが、これまでのところ感染は確認されていない。だがもし今後陽性という事態になれば、日本での感染が疑われることもありうるという。

ドゥテルテ大統領の指導力発揮

今回の新型肺炎の感染防止対策ではドゥテルテ大統領の果敢な決断により、学校の閉鎖や実質的な首都の閉鎖、そしてマニラ首都圏開発公団による夜間外出禁止令の実施(15日午後8時から実施、翌日の午前5時まで)など思い切った対策が次々と打ち出されている。

これまでのところ感染者は98人で死者は8人となっているが、3月の第2週になってから感染者数が急増するなど拡大は止まっていない。

こうしたことを懸念して可能な限りの手を尽くすというフィリピン政府の方針は国民からは高い支持を得ている。

15日から始まった首都圏への出入り制限で各地に設けられた検問所ではマニラ首都圏に向かうためにIDチェックなどを受ける長い車列ができているが、大半の運転手や乗客は「感染拡大を防ぐためであり仕方ない」と理解を示しているという。

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