CIAがひた隠す秘密暗殺部隊

2009年7月15日(水)19時28分
マーク・ホーゼンボール、マイケル・イジコフ(ワシントン支局)

 現在、CIA(米中央情報局)と民主党議員による激しい論争が巻き起こっている。その争点は、01年の9・11テロ後にCIAがコマンド部隊によるテロリストの逮捕・殺害計画を極秘作成していたという事実。米政府の元高官によると、この計画は72年のミュンヘン五輪で起きたイスラエル人選手の暗殺事件後にイスラエルが実行した報復作戦に類似しているという。

 CIA内でスパイ活動を行う部門(後に作戦本部と名付けられた)の職員は、過去数年にわたってこのような作戦計画を繰り返し作成・修正してきた。部隊を国外、時には友好国にも派遣してアルカイダ幹部を追跡や暗殺するという内容で、同胞選手を殺した容疑者を殺害するためイスラエル情報機関のモサドが「刺客」をヨーロッパに送り込んだのと同じだ、と元高官は言う。

 しかし複数の元職員や現職員によれば、この極秘計画が「完全遂行」されることはなかった。そしてレオン・パネッタCIA長官によって計画は6月に廃止された。

計画が実行できなかった理由

 元職員2人の証言によれば、9・11テロの直後にジョージ・W・ブッシュ政権はCIA作戦本部と協議し、テロリストを追跡したり、おびき寄せたりできる権限を諜報機関に与えるかどうかを話し合った。しかしCIA幹部は最終的に計画は失敗や露見の危険性が高すぎるとの結論に至ったと、別の元職員は言う。

 その結果、作戦本部(現在は国家機密部に改称)が提案した当初の計画は、ジョージ・テネット長官が04年に辞任するまでに中止に追いやられた。ポーター・ゴスとマイケル・ヘイデンという2人の後任長官も計画の凍結を解かなかった。

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ