【写真特集】騙されて子宮を奪われるインドの農民女性たち

2021年4月3日(土)15時30分
Picture Power

10代の少女たちの母親は4年前に子宮を摘出され、現在は自宅から遠く離れた農園で働いている。だが健康状態が著しく悪化したため、娘たちは学校をやめて仕事を手伝いに行くことになった


洗濯をする女性労働者。古着などで作った生理用ナプキンも仕事の合間に急いで洗うが、生理はタブー視されているため外には干せない。これが炎症や感染症の温床になり、医師が子宮摘出を勧める口実となる


30トンにもなるサトウキビの束を載せて、農園から精製所に向けて出発するトラック。何度も往復するトラックへの積み込み作業のため、夜を徹して作業をしなければならない労働者も多い


サトウキビの収穫時期である10月半ば、労働者として雇われてトラックで遠く離れた農園に連れていかれる女性たち。農園を転々と移動する彼女たちの働き方は、規制による保護を一層難しくしている


次の農園に向けて出発する準備をし、雇用主から呼び出されるのを待つ夫婦。妻は8年前に子宮摘出手術を受けさせられたという。夫婦は1組の労働者と見なされ、給料はまとめて夫に支払われている


農園で両親の仕事を手伝う少女。子供が農園で働くことは心身の発達を阻害し、教育の機会を奪う児童労働と搾取につながる。その結果、成長しても低賃金の肉体労働にしか就けないことにもなる

Photographs by Chloe Sharrock

撮影:クロエ・シャロック
1992年、仏シャモニー生まれのフォトジャーナリスト・ビデオグラファー。リヨンの大学で美術史を、パリ第8大学で映画制作を学び、現在は中東を中心に紛争社会、平和の構築におけるジェンダー問題をテーマに取材。仏ル・モンド紙や独シュピーゲル誌などの主要メディアで作品を発表している

<本誌2020年12月15日号掲載>

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