中国、THAAD配備の韓国と関係修復か 首脳の相互訪問へ水面下で交渉?

2017年10月28日(土)12時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

韓国はAIIBの主要メンバーとして第2回年次総会のホスト国を務めた。写真は年次総会を告知するソウル市内のバナー (c) ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


もちろん、首脳会談が実現すればTHAAD配備が主な議題になることは避けらない。これについて、中国側が、THAAD配備で生じた憂慮に対し韓国政府が理解するという表明を首脳会談実現の条件にしていて、韓国政府が受け入れるかどうかで苦心しているという推測も出ている。大統領府関係者はこうした中国側の要求はなかったと否定しているが、何かしらの交渉が水面下で進められていることは間違いなさそうだ。

韓国にとっては観光だけではなく、中国へ進出したスーパー「ロッテマート」の営業停止や韓国製品の不買運動などで、中国のTHAAD配備への報復措置は経済面で大きな打撃となっている。また、中国側にとっても韓国との関係悪化が長期化することは、AIIBや一帯一路構想に参加している韓国を、米国や日本との結びつきを強める形となり得策ではない。

文在寅と習近平は11月にベトナムのダナンで開催されるAPEC首脳会議で再会する。この時までに韓国側が、THAAD配備に関して中国側が納得できる何かしらの大義名分を用意できるかどうかが、関係修復のカギとなりそうだ。


*一部内容を追加しました。

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