最新記事
中東

ネタニヤフ首相「ハマスを壊滅する」 イスラエル戦時内閣が初閣議、ガザ地上戦を準備

2023年10月16日(月)12時00分
ロイター
イスラエル軍による攻撃で煙の上がるガザ地区

イスラエルのネタニヤフ首相は10月15日、戦時内閣発足後、初の閣議を開き、イスラム組織ハマスを壊滅すると強調した。写真は同日、イスラエル軍による攻撃で煙の上がるガザ地区(2023年 ロイター/Amir Cohen)

イスラエルのネタニヤフ首相は15日、戦時内閣発足後、初の閣議を開き、イスラム組織ハマスを壊滅すると強調した。

この日の閣議には元野党議員らも参加。ネタニヤフ氏は「ハマスはわれわれを壊滅しようと考えていたが、ハマスを壊滅するのはわれわれだ」と述べた。

イスラエル軍はハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザでの地上戦に向け、ガザ境界付近に戦車を集結、地上部隊の増強を進めている。15日には250の軍事目標を攻撃し、ハマス幹部を殺害したと発表した。

7日以降、死者の数はイスラエル側で1300人、ガザ地区では少なくとも2670人に達している。

ガザ地区には約200万人が住んでいる。イスラエル軍は北部住民に南部への退避を促しており、これまでに約60万人が避難したとしている。

一方、避難途中に攻撃され北部に戻っているパレスチナ人もいるという。

イスラエルのネタニヤフ首相とバイデン米大統領は、ガザ南部への水の供給再開で合意した。

また、中東訪問中のブリンケン米国務長官はサウジアラビアの首都リヤドで実力者ムハンマド皇太子と会談、エジプトではシシ大統領とも会談し、ガザ南部のエジプトとの境界検問所が再び開かれる見通しになったと述べた。

ガザ地区の医療機関では医療物資が不足し、けが人などが十分な手当を受けられない状態となっている。世界保健機関(WHO)はイスラエルによる退避勧告は病人や負傷者にとり「死刑宣告」だと批判した。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、ガザの救助活動は「崩壊寸前だ」と述べ、南部の施設では避難する人を受け入れることが出来なくなっていると説明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

リーブス英財務相、広範な増税示唆 緊縮財政は回避へ

ワールド

プーチン氏、レアアース採掘計画と中朝国境の物流施設

ビジネス

英BP、第3四半期の利益が予想を上回る 潤滑油部門

ビジネス

中国人民銀、公開市場で国債買い入れ再開 昨年12月
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中