最新記事

中国

モスクワ便り──ウクライナに関するプーチンの本音

2022年2月14日(月)12時09分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

ロシアのプーチン大統領 Thibault Camus/REUTERS

習近平との面談後のプーチンに関して、クレムリンに近い「モスクワの友人」から非常に信頼のできる便りがあった。ウクライナへの武力侵攻の有無とともに、マクロンやバイデンに対するクレムリンの考え方をご紹介したい。

習近平とプーチンの蜜月関係

ロシアのプーチン大統領は、2月4日、習近平国家主席と会談して北京冬季五輪開幕式に出席するために北京を訪問した。

まず北京にある釣魚台迎賓館でプーチンと面談した習近平は、2014年にプーチンの招きでソチ冬季五輪開会式に出席するためにロシアに行ったと指摘した上で、8年ぶりに北京で再会したことを、「プーチンが冬季五輪の契りを守ってくれた証し」として感謝した。プーチンは、中露関係は未だかつてなく緊密だと讃えた上で、二人は互いに両国の結びつきの強さと蜜月ぶりを確認し合った。

面談が終わると、習近平はプーチンのためだけに用意した宴会にプーチン一行を招待し、春節の宴を共にすると同時に、多くの二国間プロジェクトに関して意見を交換した。

夜、北京冬季五輪開会式出席が終わると、長文の共同声明「中華人民共和国とロシア連邦による新時代国際関係とグローバル持続的発展に関する共同声明」と協定締結が発表された。

共同声明では中露両国間の「民主観、発展観、安全観、秩序観」に関する共通の立場が述べられている。特に注目すべきは安全観(安全保障問題に関する見解)に関連した件(くだり)で、ここには以下のような項目がある。

●中露双方は互いの核心的利益、国家主権および領土保全をしっかりと支持し、両国の内政に対する外部干渉に反対する。

●中露双方は両国の共通の周辺地域の安全と安定を損なう外的圧力に反対し、いかなる口実で主権国の内政に干渉する外力に対しても反対し、「ビロード革命」に反対する。

●中露双方は、NATOの継続的な拡大に反対し、冷戦思想を放棄し(中略)、他国の歴史と文化を尊重し、他国の平和的発展を重視するようNATOに要請する。

●中露双方は、アジア太平洋地域における閉鎖的聯盟締結の形成と陣営対立の創出に反対し、米国が推進する「インド太平洋戦略」が当地域の平和と安定に対してもたらすマイナスの影響を警戒する。

すなわち中露両国は安全保障面においても完全に一致して臨むことを誓い合ったのである。米国を名指ししたことも注目に値する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英・フィンランド・オランダ、防衛巡り共同での資金・

ワールド

米ガソリン価格、1ガロン3.75ドル突破 23年1

ビジネス

トヨタが満額回答、6年連続 26年春闘

ビジネス

ウニクレディトの買収提案額は「極めて低い」=コメル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    「目のやり場に困る...」グウィネス・パルトロウの「…
  • 10
    戦争反対から一変...湾岸諸国が望む「イランの脅威」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中