最新記事

災害

ドイツなど欧州西部で記録的豪雨 死者少なくとも44人、多数が行方不明

2021年7月16日(金)09時26分
記録的な豪雨により洪水が発生したドイツ西部のようす

ドイツなど欧州西部で記録的な豪雨により洪水が発生し、15日までに少なくとも44人が死亡し、数十人が行方不明になっている。 DER SPIEGEL / YouTube

欧州西部で記録的な豪雨により洪水が発生し、ドイツでは15日までに少なくとも42人が死亡、数十人が行方不明になっている。被害を受けた町では家屋が倒壊し、住民が屋根の上に取り残されるなどしている。

ワイン産地として名高いラインラント・プファルツ州のアールヴァイラーでは、ライン川支流の堤防が決壊し、18人が死亡し、多数の行方不明者が出ている。

同州の町シュルトでは、倒壊した家屋の残骸や倒木などで道路が寸断されている。

ボン南部のオイスキルヒェンでも15人が死亡したという。

ライン川流域では24時間の降水量が観測史上最多となり、ノルトライン・ヴェストファーレン州の主要都市ケルンやハーゲンなどで洪水が発生している。ゾーリンゲン、ウンナ、ラインバッハなど州内の複数地域で死者が出ている。

また、洪水の影響で、約20万世帯で大規模な停電が起きている。

兵士や救援隊、警察が救助作業に当たっており、戦車を投入して道路に流れ込んだ土砂や倒木の撤去が行われているほか、ヘリコプターが屋根の上に取り残された住民の救助に当たっている。

訪米中のメルケル独首相はバイデン米大統領との共同会見で「多くの人々が苦しんでいる大惨事に衝撃を受けている」とコメントし、遺憾の意を表明。打撃を受けた地域の再建支援を約束した。バイデン氏も哀悼の意を示した上で、「われわれも復興を支援する」と述べた。

隣国ベルギーでも豪雨で洪水が発生。2人が死亡、1人が行方不明となっている。

下流のオランダでも河川の氾濫によって南部で多くの住宅に被害が出ている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


 DER SPIEGEL / YouTube

【話題の記事】
・洪水でクモ大量出現、世界で最も危険な殺人グモも:シドニー
・あなたは豪雨災害がなぜ起こるかを分かっていない 命を守るため「流域」を確認せよ
・中国・四川省で豪雨、住民2万1000人が避難 全土に警報


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

スペインも軍艦船派遣、ガザ支援船団へのドローン攻撃

ビジネス

午後3時のドルは149円後半、2カ月ぶり高値更新後

ワールド

スロベニア、イスラエル首相に入国禁止措置 ガザ問題

ワールド

台湾外交部長が今週NY訪問、国連総会中の訪問は初か
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 2
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 3
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 4
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 5
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 6
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 7
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 8
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    富裕層のトランプ離れが加速──関税政策で支持率が最…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中