最新記事

パンデミック

イギリスのコロナ感染「今後数週間で最悪に」 専門家が強い危機感

2021年1月12日(火)10時38分

英政府のホイッティ首席医務官は11日、新型コロナウイルスの感染急増で医療サービスが危機的な状況を迎える中、「今後数週間が最悪の期間になる」という見方を示した。写真は12月にロンドンで撮影(2020年 ロイター/TOBY MELVILLE)

英政府のホイッティ首席医務官は11日、新型コロナウイルスの感染急増で医療サービスが危機的な状況を迎える中、「今後数週間が最悪の期間になる」という見方を示した。

国内のコロナ感染症による死者は8万1000人超と世界で5番目に多く、感染者も300万人以上に膨らんでいる。政府は来月中旬までに優先順位の高い1500万人にワクチン接種を行う方針を示すなど、対策を急いでいる。

ホイッティ氏は、昨年4月時点での入院数が約1万8000人だったの対し、現在は3万人に達しているとBBCテレビに述べ、「重症患者の入院数や死者数にショックを受けていない人はいないと思うが、これは恐るべき事態だ」と危機感をあらわにした。

ジョンソン首相は11日、イングランド南西部ブリストルにある予防接種センターを視察。「集中治療室(ICU)や換気ベッドの逼迫、一部施設での酸素不足など、国民保健サービスに対する脅威を誰もが感じており、時間との闘いになる」と語った。

英首都ロンドンは8日、感染力が強いウイルス変異種が国内で制御不能となり、病院が対応できない恐れがあるとして「重大インシデント」を宣言。イングランドでは再び全面的なロックダウン(都市封鎖)措置が導入されている。

ワクチン接種の目標を達成するためには、週間で200万人にワクチン接種を行う必要がある。英政府は11日、国民の8割強が暮らすイングランド地域で今月末までに最低でも週200万人のワクチン接種を実施できるようにし、春までに数千万人への接種を目指すと明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、選挙での共和党不振「政府閉鎖が一因」

ワールド

プーチン氏、核実験再開の提案起草を指示 トランプ氏

ビジネス

米ADP民間雇用、10月は4.2万人増 大幅に回復

ワールド

UPS貨物機墜落事故、死者9人に 空港は一部除き再
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 5
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 6
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 7
    若いホホジロザメを捕食する「シャークハンター」シ…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中