最新記事

コロナ変異種

米CDC、英国からの全渡航者にコロナ陰性証明義務化 変異種拡大で

2020年12月27日(日)10時20分

米疾病対策センター(CDC)は24日、英国から到着する航空便の乗客全員に対し、出発前72時間以内に新型コロナウイルス検査を受け陰性の証明を得ることを28日から義務付けると発表した。写真は2019年12月撮影(2020年 ロイター/Chris Helgren)

米疾病対策センター(CDC)は24日、英国から到着する航空便の乗客全員に対し、出発前72時間以内に新型コロナウイルス検査を受け陰性の証明を得ることを28日から義務付けると発表した。

感染力が強いとみられるコロナ変異種が英国で広がっていることに対応する。トランプ米政権は22日、英国からの渡航者に検査を義務付ける計画はないと航空会社に説明していたが方針を転換する。

CDCは「ウイルスは突然変異により常に変化する。英国の分析によると、この新たな変異種はこれまでのウイルスより最大70%感染力が強い可能性がある」と指摘した。

通達によると、英国からの渡航者はPCR検査か抗体検査を受け、陰性の証明書を航空会社に提示する必要がある。航空会社は乗客の搭乗前に全員の陰性を確認し、検査を受けていない乗客の搭乗は拒否する。

英国の外務・英連邦・開発省(FCDO)は25日、「米国当局と緊密に連絡を取り合い、可能な限り混乱を最小限に抑えるため取り組んでいる」と表明。定期的にオンラインで情報を更新するとした。

また、英国の旅行者に対しては、米国当局のガイダンスに従い、旅行計画について航空会社と連絡を取るよう求めた。

これに先立ち、米ユナイテッド航空とデルタ航空は、英国発の米国便の乗客全員に対し、出発前の72時間以内に新型コロナ検査を受け、陰性証明を提示することを義務付けると発表していた。 デルタは21日、英国からニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に向かう路線について、コロナ検査を実施し、陰性が判明した乗客のみの搭乗を許可する方針を示していたが、それを拡充する。 デルタは、英国からはニューヨーク便のほか、アトランタ便を運航。ユナイテッドは現在、1日に英ロンドン・ヒースロー空港からシカゴ、ニューアーク、ワシントン、サンフランシスコの4路線を運航しているが、年明け1月以降はシカゴとニューアーク便のみに減便する計画を発表している。 ロンドン・ダラス便を運航するアメリカン航空はコロナ検査義務については発表していない。 英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とヴァージン・アトランティックは21日、英・ニューヨーク路線で乗客のコロナ検査を実施する方針を示している。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

香港トップが習主席と会談、民主派メディア創業者の判

ワールド

今年のシンガポール成長予想、4.1%に上方修正=中

ビジネス

対米巨額投資、日本の事業会社にリスク 収益性押し下

ワールド

USAID解体は「驚愕」、首席補佐官が米誌インタビ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 7
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中