最新記事

欧州

コロナ復興基金めぐるEU首脳会議が紛糾 域内の南北対立の様相も

2020年7月20日(月)16時06分

新型コロナウイルス禍で落ち込んだ経済の立て直しに向けた7500億ユーロ規模の復興基金案を巡って協議するため17日開幕した欧州連合(EU)首脳会議は、20日早朝まで議論を続けたが合意に至らず、同日1400GMT(日本時間午後11時)まで休会することとなった。写真はブリュッセルで16日撮影(2020年 ロイター/Yves Herman)

新型コロナウイルス禍で落ち込んだ経済の立て直しに向けた7500億ユーロ規模の復興基金案を巡って協議するため17日開幕した欧州連合(EU)首脳会議は、20日早朝まで議論を続けたが合意に至らず、同日1400GMT(日本時間午後11時)まで休会することとなった。

ミシェルEU大統領は、世界中で60万人以上が新型コロナにより命を落としたと指摘。前代未聞の危機を前に結束し、「不可能な使命」を成し遂げ合意するようEU首脳らに呼び掛けた。

大統領は3回連続となる夕食会の席上、「是非とも合意し、あすにはEUが不可能な使命を成し遂げたという見出しを見たい」と訴えた。

休会発表後、オーストリアのクルツ首相とオランダのルッテ首相は、協議は進展していると主張。ルッテ首相は、物別れに終わる可能性はなお残る、とも警告した。

焦点は復興基金の設計や利用条件で、相対的に裕福な北部の諸国がより小規模な基金を主張するなど、「南北対立」の様相を呈している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・感染防止「総力挙げないとNYの二の舞」=東大・児玉氏
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・東京都の新型コロナウイルス新規感染188人、4日ぶりで200人下回る 7月合計3000人突破
・インドネシア、地元TV局スタッフが殴打・刺殺され遺体放置 謎だらけの事件にメディア騒然


20200721issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月21日号(7月14日発売)は「台湾の力量」特集。コロナ対策で世界を驚かせ、中国の圧力に孤軍奮闘。外交・ITで存在感を増す台湾の実力と展望は? PLUS デジタル担当大臣オードリー・タンの真価。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、首都ワシントンに州兵派遣 警察を連邦政

ワールド

エア・インディア、米印首都結ぶ便一時停止 機材不足

ワールド

ノルウェーSWF、イスラエル資産運用契約を解約 ガ

ワールド

トランプ氏、プーチン氏と「手探り」の会談へ 領土交
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 8
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中