最新記事

殺人事件

シカゴで猟奇殺人──19歳の妊婦を殺害後、腹を切って胎児奪う

Missing Pregnant Teen Had Baby Ripped From Womb After She Was Killed

2019年5月17日(金)16時20分
イワン・パーマー

ベビー服をあげると言っておびき出された?19歳の被害者 Marlen Ochoa Family Photo

<人はどこまで残酷になれるのか>

米国で先月から行方不明になっていた19歳の妊婦が、5月15日に遺体で発見された。イリノイ州シカゴの住宅に誘い込まれて殺害され、その後に腹を切り裂いて胎児が取り出されたと警察はみている。

イリノイ州クック郡監察医務院は、シカゴの住宅で発見された遺体の身元を、19歳のマーレン・オーチョア=ロペスと確認した。

死因は絞殺。最後に目撃されたのは4月23日で、通学している高校を出た後、消息を絶った。妊娠9カ月だった。

オーチョア=ロペスの家族は、彼女が問題の住宅を訪ねたのは、フェイスブックで知り合ったクラリサ・フィゲロア容疑者(46)からベビーカーとベビー服を譲り受けるためだったと言う。家族の代理人を務めるセシリア・ガルシアは取材に対し、「この家の女性は、ベビー服が余っているので譲ると言っていた。それが、マーレンを誘い出すためのウソだったのだろう」と語った。

オーチョア=ロペスが最後に目撃されてから数時間後、フィゲロアは消防局に通報し、彼女自身がたった今家で出産したが、赤ん坊が息をしていないと説明したという。


事件のニュース映像。上は逮捕された3人。左がクラリサ・フィゲロア容疑者。


シカゴ市消防局は、オーチョア=ウリオステギが消息を絶った日、生まれたばかりの赤ん坊が苦しんでいるという通報があり、問題の住宅に急行したと認めている。消防局の関係者はシカゴ・トリビューン紙に、救急隊員が到着したとき、赤ん坊は「血の気を失っていた」と語った。

フィゲロアは、その後資金集めサイトで赤ん坊の葬儀費用を募ったりしてあくまで自分の子だという振りをしていたが、匿名の情報を得た捜査当局が病院に搬送された赤ん坊のDNAを検査し、オーチョア=ロペスの子どもであることを突き止めた。

警察によれば、犯人はオーチョア=ロペスを殺した後に遺体を切り裂いて子宮から胎児を取り去り、遺体は裏庭のゴミ箱に捨てたという。

シカゴ市警察の主任報道官アンソニー・ググリエルミはシカゴ・トリビューン紙に対し、「被害者を殺害した後、赤ん坊を取り出したとみられる」と説明した。現在、赤ん坊は危篤状態だという。

オーチョア=ロペスの死に関連して、警察はフィゲロアを含む問題の住人3人を逮捕した。

オーチョア=ウリオステギの夫ジョバンニ・ロペスはスペイン語でFOX32ニュースの取材に応じ、数週間にわたる懸命の捜索もむなしく妻が遺体で見つかって、「凄まじい心の痛み、苦しみ、悲しみ」を感じていると語った。

「もう耐えられない。最愛の女性を失うのはつらすぎる」

「加害者たちには法の裁きを受けてもらう」とロペスは付け加えた。「許せない。彼らは、自分たちがどれだけひどいことをしたか理解していない」

(翻訳:ガリレオ)

20190521cover-200.jpg
※5月21日号(5月14日発売)は「米中衝突の核心企業:ファーウェイの正体」特集。軍出身者が作り上げた世界最強の5G通信企業ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)。アメリカが支配する情報網は中国に乗っ取られるのか。各国が5Gで「中国製造」を拒否できない本当の理由とは――。米中貿易戦争の分析と合わせてお読みください。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

タイGDP、第3四半期は前年比+1.2% 4年ぶり

ワールド

チリ大統領選、来月14日に決選投票 極右候補が優勢

ビジネス

アクティビストのスターボード、米ファイザーの全保有

ワールド

米NY州知事、法人税引き上げ検討 予算不足に備え=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中