最新記事

朝鮮半島非核化

金正恩「トランプ氏1期目に非核化実現」 9月18-20日南北首脳会談で具体的措置を協議

2018年9月6日(木)15時07分

9月6日、韓国政府当局者は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領の1期目に非核化を実現したいと発言したことを明らかにした。写真右は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長。提供写真(2018年 ロイター/青瓦台)

韓国政府当局者は6日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領の1期目に非核化を実現したいと発言したことを明らかにした。

韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長を含む特使団は前日、平壌を訪れ、金委員長と会談した。

鄭氏は記者団に対し、韓国と北朝鮮が南北首脳会談を9月18─20日に平壌で開催することで合意したと説明。会談では、朝鮮半島の非核化に向けた「具体的措置」を協議するとした。

鄭氏によると、金氏は韓国特使団に対し、トランプ大統領に対する信頼感は「変わっていない」と発言。トランプ大統領の1期目任期が終わる2021年初めまでに非核化を実現し、米朝の敵対関係に終止符を打ちたい考えを示した。

金氏が北朝鮮の核開発プログラムの解体スケジュールを示すのは初めて。

鄭氏によると、金氏は「朝鮮半島の完全な非核化」を目指す決意を再確認するとともに、この目標に向けて韓国や米国と緊密に協力する意向を表明した。

金氏は一方で、自身の非核化の意志に一部の国際社会から疑念を持たれていることにいら立ちを示した上で、北朝鮮は非核化に必要な措置を先行して実施しているとし、「こうした誠意が誠実に受けとめられれば幸いだ」と語ったという。

金氏は会談で、地下実験場やミサイルエンジン実験施設の解体を含む、北朝鮮がすでに講じた措置は北朝鮮の核実験と長距離ミサイル実験が「永遠に」不可能になったことを意味すると強調。北朝鮮が先行して完了させた措置への見返りが示される場合、北朝鮮の非核化に向けたより積極的な措置を講じることが可能との考えを強く示したという。

鄭氏によると、金氏は、朝鮮戦争の終結を宣言することは米韓軍事同盟や米軍の韓国駐留と関係がない、とも述べた。

[ソウル 6日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250114issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月14日号(1月7日発売)は「中国の宇宙軍拡」特集。軍事・民間で宇宙支配を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米政府が規制強化、AI半導体輸出に数量制限 同盟国

ワールド

ガザ停戦合意「最終案」、イスラエルとハマスに提示 

ビジネス

中国が世界造船業界を不当に支配、米政権が調査報告発

ビジネス

中国が通貨防衛強化、元安けん制 香港外準増や海外借
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 9
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 10
    悲報:宇宙飛行士は老化が早い
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 6
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 7
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 8
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 9
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中