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心肺停止後、5分は意識がある!? 最新の脳神経学で分かった「死」

2018年3月6日(火)19時30分
松丸さとみ

自分の死亡宣告を聞くことも......?

前述のエクスプレス紙はこの調査結果を伝える記事の中で、「死後も意識が残っている可能性がある」と報じた。実は別の調査により、これを裏付けるような結果が2017年10月に発表されていた。心肺が停止して「死亡」してもまだ意識が残っている可能性があり、自分の死亡宣告を聞く人さえいるのかもしれない、というショッキングな話だ。

ウェブメディア「ライブサイエンス」(2017年10月4日付)によると、米ニューヨーク大学ランゴン医学部の医師たちがヨーロッパと米国で調査を行なった。心臓発作を起こして死亡が宣告された後に蘇生された患者を対象にしたもので、この類では最大規模だった。

チームの1人だったサム・パーニア博士はライブ・サイエンスに対し、通常、心臓が止まって脳に血流がいかなくなった瞬間に「死亡」と判断されると説明。脳に血が流れなくなるのとほぼ同時に、脳の機能も止まるとしている。しかしこの調査対象となった「生き返った」患者の中には、死亡が宣告された後に、自分の周りで何が起こっており、どんな会話がなされたかを見聞きしていたと話した人がいた。そうした発言の内容は合っていることが、その場にいた医療スタッフによって後に確認されたという。


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