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米政府機関が再び一部閉鎖へ 共和党財政保守派ポール議員が妨害

2018年2月9日(金)13時34分

2月8日、米上院で、予算案を巡る採決が遅れている。連邦予算の引き上げに反対するランド・ポール上院議員(共和党)が自らの修正案の審議を先に行うべきと主張し、採決を阻止しているため。写真は記者の質問に答える同上院議員。昨年6月にワシントンで撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

米上院で8日、予算案を巡る採決が遅れている。連邦予算の引き上げに反対するランド・ポール上院議員(共和党)が自らの修正案の審議を先に行うべきと主張し、採決を阻止しているため。

現行のつなぎ予算の期限が切れる8日夜12時までに議会が新たなつなぎ予算案を可決できるかは不透明な状況だ。

新たなつなぎ予算が成立しない場合、連邦政府の機関は一部閉鎖に陥る。

上下両院が期限前につなぎ予算を可決することは難しい状況になりつつある。

米行政管理予算局(OMB)は、つなぎ予算が期限内に可決されなかった場合の政府機関の一部閉鎖に対する備えを進めているとした。

ポール氏は上院本会議で午後7時まで1時間にわたり演説。予算案に盛り込まれた今後2年で歳出上限を3000億ドル引き上げる案について、「財務省を略奪する」内容だと非難した。

オバマ前政権下の1兆ドルを超える財政赤字に批判的だったことが議員を志した理由としたうえで、「現在の共和党は民主党と手を取り合って兆ドル単位の赤字を提示している。看過することはできない」と強調した。

昨年末に成立した税制改革による大型減税は、連邦債務を1兆5000億ドル拡大させると推定されている。予算案が成立すればさらに赤字が膨らむことになり、財政保守派としての共和党のかつてのイメージに逆行する。

[ワシントン 8日 ロイター]


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