最新記事

経済制裁

北朝鮮の核・ミサイルに関する外相会合 南北対話でも制裁強化を検討へ

2018年1月17日(水)16時44分

1月16日、米国とカナダが共催する北朝鮮の核・ミサイル問題に関する20カ国の外相会合が、カナダのバンクーバーで開かれた。写真は、カナダのフリーランド外相と話す日本の河野外相(2018年 ロイター/Ben Nelms)

カナダのバンクーバーで16日開かれた北朝鮮の核・ミサイル問題を巡る20カ国の外相会合では、国連安全保障理事会が採択した対北朝鮮制裁に加え、新たな制裁を検討することで各国が合意した。会合を共催した米国とカナダが共同声明で発表した。

また、各国が北朝鮮と韓国による南北対話を支援する方針を確認し、「対話が緊張緩和につながることを期待する」とした。

声明によると、参加国は「国連安保理決議を超える制裁措置やさらなる外交努力を検討し、前進させることで合意した」としているが、詳細は明らかにされていない。

さらに、会合ではこれまでの制裁措置の完全な履行に取り組むことでも一致した。

ティラーソン米国務長官は、制裁逃れの船舶取り締まりに向けすべての国が協力する必要があるとし、北朝鮮が新たな挑発行為に出た場合には「新たな結果」を招くと強調した。

また「われわれは皆、現状について慎重かつ明敏になる必要があり、脅威の増大を認識しなければならない。北朝鮮が約束、議論、交渉などの手段を選ばなければ、その時は北朝鮮自身が選択肢を作動することになるだろう」と述べた。

その上で「対話が最善のオプション」とし、「今こそ対話を行うべきだ。しかし、北朝鮮が対話を望まなければ先に進むことは出来ない」との見方を示した。

中露が提案した北朝鮮の核開発と米韓合同軍事演習の同時凍結に関しては、受け入れられないとの考えを繰り返し言及した。

米当局者によると、南北対話や北朝鮮のオリンピックへの選手団派遣で、軍事行動の選択肢をめぐる議論は後退している。

河野太郎外相は南北対話の実現など北朝鮮の「微笑外交」に目を奪われてはならないと指摘。「圧力を緩和したり、北朝鮮に報いたりする時ではない。北朝鮮が南北対話に参加したという事実は、制裁が有効であるという証拠として解釈できる」とした。

韓国の康京和外相は南北対話がオリンピック以降も継続することを望むとしながらも、現在の制裁をより厳しく適用しなければならないと主張した。

[バンクーバー 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日本の経済成長率予測を上げ、段階的な日銀利上げ見込

ビジネス

今年のユーロ圏成長率予想、1.2%に上方修正 財政

ビジネス

IMF、25年の英成長見通し上方修正、インフレ予測

ビジネス

IMF、25年の世界経済見通し上方修正 米中摩擦再
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃をめぐる大論争に発展
  • 4
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 8
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 9
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 10
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中