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イラク政府軍、油田都市キルクークを掌握 クルド独立阻止へ

2017年10月17日(火)09時16分

10月16日、イラク政府軍は、クルド自治政府と帰属を争う油田都市キルクークを掌握した。自治政府による独立を阻止するため強い措置に出た。写真はイラクのキルクーク南西部で13日撮影(2017年 ロイター/Ako Rasheed)

イラク政府軍は16日、クルド自治政府と帰属を争う油田都市キルクークを掌握した。自治政府による独立を阻止するため強い措置に出た。現地からの情報によると、米国の訓練を受けた精鋭対テロ部隊がキルクークにある行政施設を掌握したもようだ。

イラクによると、政府軍の進軍に対し自治政府の治安部隊は目立った抵抗をみせなかった。

イラクもクルド自治政府も死傷者の数は明らかにしていないが、キルクークで活動する援助団体によると、キルクーク南部では衝突が起き、双方の兵士が複数死亡したという。

イラクとクルド自治政府の石油省関係筋によると、イラク軍の進軍に伴い、クルドの生産者は日量約35万バレルの油田を一時閉鎖した。

ただ、関係筋によれば、生産を再開しなければクルド自治政府が実効支配する油田を制圧するとしたイラク側の警告を受け、間もなく生産が再開されたもようだ。

イラク政府がキルクークの全ての油田の奪還に乗り出すかどうか、あるいはいつ乗り出すのかは明らかでない。

トランプ米大統領は衝突について、米国としてどちらか一方に肩入れはしないとした上で、両者が対立していることは残念だと述べた。

[バグダッド/キルクーク 16日 ロイター]


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