最新記事

トランプ大統領、イランが核合意順守しているとは認めない見通し

2017年10月6日(金)09時30分

 10月5日、トランプ米大統領(写真)が近く、イランと欧米6カ国などが結んだ核合意について、イランが順守しているとは認めないと表明する見通しであることが分かった。5月撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領が近く、イランと欧米6カ国などが結んだ核合意について、イランが順守しているとは認めないと表明する見通しであることが分かった。米政権のある高官が5日、匿名を条件に明らかにした。高官はまた、大統領がより敵対的なイラン戦略を打ち出す、とも語った。

トランプ米大統領はかねてより、核合意について「恥ずべきもの」「最悪のディール」と酷評。トランプ大統領は10月15日までに、イランが核合意を順守しているのかどうか、議会に報告する必要がある。

大統領は5日、ホワイトハウスで軍幹部らと会談した際、「イランはテロを支援し、暴力や流血、混乱を中東に広めている。(核)合意の精神に沿っているとは言えない」と主張。イランが合意を順守しているかどうかの判断については「まもなく発表がある」と述べるにとどめた。

大統領がイランの順守を認めない場合、議会は合意に基づいて停止しているイラン制裁を再発動するかどうか60日以内に判断する。共和党と一部民主党は署名当時、核合意に反対していたが、今の議会はイラン問題に取り組む機運に乏しく、制裁再発動の有無は不透明な情勢だ。

米政府高官によると、イランをめぐるトランプ米大統領の演説日程は10月12日が検討されているが、まだ決定はされていないという。

[ワシントン 5日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU外相、シリアの宗派間暴力への懸念表明 過激主義

ワールド

米、中国IT企業に制裁 人身に危害及ぼすマルウエア

ワールド

世界の航空業界、25年に収入総額初の1兆ドル突破へ

ワールド

イスラエル、シリア南部に防衛地帯設置へ ゴラン高原
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:韓国 戒厳令の夜
特集:韓国 戒厳令の夜
2024年12月17日号(12/10発売)

世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 2
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 3
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新研究が示す新事実
  • 4
    無抵抗なウクライナ市民を「攻撃の練習台」にする「…
  • 5
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    韓国大統領の暴走を止めたのは、「エリート」たちの…
  • 8
    キャサリン妃が率いた「家族のオーラ」が話題に...主…
  • 9
    ジンベエザメを仕留めるシャチの「高度で知的」な戦…
  • 10
    ティラノサウルス科の初記録も!獣脚類の歯が明かす…
  • 1
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 2
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 3
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社員にはなりにくい」中年自衛官に待ち受ける厳しい現実
  • 4
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 5
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能…
  • 6
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 7
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 8
    肌を若く保つコツはありますか?...和田秀樹医師に聞…
  • 9
    ついに刑事告発された、斎藤知事のPR会社は「クロ」…
  • 10
    キャサリン妃が率いた「家族のオーラ」が話題に...主…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中