最新記事

テロ

仏当局がパリ潜伏先急襲、主犯格は拘束されず

銃撃戦の末に2人が死亡、8人の身柄が拘束されたが、主犯格の身柄は拘束できなかった

2015年11月19日(木)08時52分

11月18日、パリ同時攻撃の主犯格とされるアブデルハミド・アバウド容疑者について、捜査当局は、潜伏先と見られるアパート(写真)で身柄を拘束した人物のなかに同容疑者が含まれていないことを明らかにした。(2015年 ロイター/Gonzalo Fuentes)

 フランス警察は18日未明、前週末のパリ同時攻撃の主犯格とされるベルギー籍のアブデルハミド・アバウド容疑者の潜伏先とみられるパリ北部サンドニ地区のアパートを急襲し、8人の身柄を拘束した。踏み込んだ際に女1人が自爆したほか、銃撃戦で少なくとも1人が死亡した。

 関係筋によると、このグループはパリのビジネス街への攻撃を計画していた。

 パリ検察のフランソワ・モラン検事は18日夜の会見で「新たなテロリスト拠点を制圧した」と説明。ただ、この急襲で死亡した人物の身元は確認できていないとしており、アバウド容疑者が死亡したかは分からない。

 同検事はまた、身柄を拘束した人物のなかに同容疑者のほか、実行犯の1人として指名手配されているアブデスラム・サラ容疑者は含まれていないことを明らかにした。

 捜査当局に近い筋はロイターに対し、自爆した女はアバウド容疑者のいとこである可能性があると語った。米紙ワシントン・ポストは18日、当局者2人の情報として、アバウド容疑者が未明の銃撃戦で死亡したと伝えている。

 これとは別に、フランス南部のマルセイユでこの日、ユダヤ人学校の教諭が過激派組織「イスラム国」のTシャツを着た人物に刃物で刺される事件が起きた。犯人は逃走したが、教諭の生命に危険はない。

[サンドニ(フランス) 18日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい

ビジネス

英中銀、プライベート市場のストレステスト開始へ

ワールド

ウクライナ南部に夜間攻撃、数万人が電力・暖房なしの

ビジネス

中国の主要国有銀、元上昇を緩やかにするためドル買い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中