最新記事
SDGsパートナー

金継ぎ工房や体験型ラウンジで地元伝統文化の継承支援...星野リゾートが重視する「CSV経営」とは

2024年10月8日(火)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
「界 加賀」の「金継ぎ工房」

「界 加賀」の「金継ぎ工房」

<星野リゾートが手掛ける温泉旅館ブランド「界」では、地域の伝統工芸品を取り入れた旅館経営を行い、さらに宿泊者が参加できる金継ぎ体験プログラムや伝統文化体験ラウンジを新設するなど、地域との結びつきを深めている>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」は、地域の課題解決を目指すCSV経営を基盤に、伝統工芸品や文化の保護・継承を支援している。石川県にある「界 加賀」では、金継ぎ工房や体験型ラウンジを通じ、宿泊者が地元の伝統文化を体感できる環境を整えている。

経済価値と社会価値を両立する「CSV経営」で、地域課題の解決を目指す

「CSV(Creating Shared Value)」とは、企業が営利組織として利益を追求しつつ、同時に事業の中で社会課題の解決に取り組むための考え方だ。昨今、企業におけるSDGs達成の手段として注目を集めている。

日本全国でリゾート施設を運営する星野リゾートは、CSV経営を重視し、「ホテルと地域は一心同体」という考えのもと、各施設で地域の課題解決を目指すさまざまな活動に取り組んでいる。

日本の各地域が抱える課題の一つとして、伝統工芸品や伝統文化の継承が危機的状況にあることが挙げられる。生活様式や社会経済の変化、安価な類似品の流入によって、伝統工芸品の需要が減少していることで、生産額や従事者数が減ってきているのだ。

この課題にフォーカスした取り組みを行っているのが、星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」だ。全国にある23施設で、伝統工芸や伝統文化の継承を支援する取り組みを推進している。

newsweekjp20241007020228-6a94ae1eadea3e5730d34a2fdc9692ef7587d73b.jpg

「界 箱根」の温泉大浴場

「その土地の伝統文化や伝統工芸などを温泉旅館のおもてなしに活用し、『界』が旅行者と地域を繋ぐ架け橋になることで、次の世代に継承されることを目指しています。地域の魅力が高まることは、ホテルの業績にも直結します」と、星野リゾート オペレーションマネジメントグループ サスティナビリティ推進担当の小泉真吾氏は語る。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル・イラン紛争停戦へ 米仲介も永続的和平は

ビジネス

現在の金融政策は適切、差し迫った利下げの理由なし=

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、中東情勢を楽観 ユーロは2

ワールド

イラン核施設攻撃「中核部分破壊されず」と米情報機関
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    細道しか歩かない...10歳ダックスの「こだわり散歩」…
  • 5
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 6
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 7
    イスラエル・イラン紛争はロシアの影響力凋落の第一…
  • 8
    「温暖化だけじゃない」 スイス・ブラッテン村を破壊し…
  • 9
    「水面付近に大群」「1匹でもパニックなのに...」カ…
  • 10
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中