最新記事

「朝に50gプラスするだけ」で集中力と記憶力が持続する...意外な「脳力アップ食品」とは?【最新研究】

Scientists Reveal Breakfast Brain Food That May Give 'Mental Edge'

2025年3月2日(日)09時00分
アリス・ギブス
朝食

Fotomaus13-pixabay

<「これほど簡単な食事の変化で、認知能力に測定可能な違いが出るのは非常に興味深い」>

朝の目覚めにコーヒーを飲む人もいれば、瞑想や冷水シャワーを取り入れる人もいる。だが、脳のパフォーマンス向上のカギは、朝食にちょっとした工夫を加えることだとしたらどうだろう?

イギリスのレディング大学の最新研究によると、朝食にクルミを加えるだけで、若年層の認知機能が向上し、その効果が一日中続くという。


 

50グラム(たっぷり一握り)のクルミをミューズリーやヨーグルトと一緒に摂取すると、クルミを含まない同カロリーの朝食を食べた場合と比べて、反応速度がよくなり、記憶力が向上することが明らかになった。

「今回の研究は、クルミが『脳の食品』であることを裏付けられました。朝食に一握りのクルミを取り入れることで、若年層の認知機能が向上し、日中のパフォーマンス向上につながります」と語るのは本研究の著者で神経科学者のクレア・ウィリアムズ教授だ。

ウィリアムズ教授によると、これほど簡単な食事の変化で、認知能力に測定可能な違いが出るのは非常に興味深いという。

研究には、健康な若年層(18~30歳)の32名が参加。クルミを含む朝食と含まない朝食の2種類を摂取後、6時間にわたり3種類の認知テストで脳の活動をモニタリングした。

その結果、クルミを食べたグループは終日、反応速度が速く、テスト終了時には記憶力も向上していたことが判明した。ただし、クルミ入り朝食の効果は即座に現れるわけではなく、ある程度の時間が必要であることも確認された。

また、一部の参加者では、食後2時間ほど経過した時点で記憶力の低下が見られたが、これは好きではないクルミが大量に含まれていたことで、気分やモチベーションに影響が出た可能性があると研究チームは指摘している。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

見通し実現なら経済・物価の改善に応じ利上げと日銀総

ワールド

ハリス氏が退任後初の大規模演説、「人為的な経済危機

ビジネス

日経平均は6日続伸、日銀決定会合後の円安を好感

ワールド

韓国最高裁、李在明氏の無罪判決破棄 大統領選出馬資
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    フラワームーン、みずがめ座η流星群、数々の惑星...2…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中