最新記事
健康

歯を磨くべきでない「3つの意外なタイミング」とは? 口腔健康に潜む「リスク」

Three Times You Should Never Brush Your Teeth, According to a Dentist

2024年3月27日(水)10時50分
ルーシー・ノタラントニオ

歯磨きをしてはいけないタイミング

86万5000以上の「いいね」を集めた動画の中で、マヌシェリは歯磨きをすべきではない3つのタイミングを紹介している。

1. 食事の直後:一般的には食後すぐの歯磨きで食べかすが取り除かれ、歯垢の蓄積を防止できると思われている。しかしマヌシェリはこれに反し、特に柑橘類やトマトなど酸性の食品を食べた後の歯磨きは控えた方がいいと助言する。酸性の食品を食べた直後は歯のエナメル質が柔らかくなっていて、直後に歯を磨くと傷つけてしまいかねない。

2. キャンディを食べた後:糖分が虫歯の原因になることはよく知られており、甘いお菓子を食べたらすぐに歯を磨きたくなるのは本能かもしれない。しかしそうすることで細菌が作り出す酸が口内全体に行き渡り、エナメル質が浸食される危険が増大するという。しばらく待てば酸が唾液で中和され、歯磨きが害になるリスクが低減される。

3. 嘔吐した後:嘔吐した直後は歯を磨いて胃酸を除去したい衝動に駆られるかもしれない。だがその歯磨きこそ害になる。嘔吐するとエナメル質が胃酸にさらされて弱くなり、歯磨きを急ぎ過ぎるとエナメル質のダメージがさらに大きくなりかねない。そうしたダメージを防ぐためには水またはフッ素入りの洗口液で口をすすぎ、しばらく待ってから歯を磨くことが望ましい。

マヌシェリはロンドンのメリルボーンにある「スマートデンタル&エセティクス」の創設者。歯茎やエナメル質を傷つけない歯の磨き方について、次のように解説している。

「歯ブラシ(できれば電動)を歯茎に対して45度の角度で当てて、歯ブラシの毛先を歯茎の下に入れながら歯をきれいにする改訂バス法は最も効果がある」

「口の中を右下、左下、右上、左上の4区画に分け、30秒かけて歯の全表面をきれいにする。歯茎に対する圧力が強すぎると歯茎が退縮するので、使う歯ブラシは圧力センサー付きが理想的」

マヌシェリの指摘は多くの人を驚かせ、動画に寄せられたコメントは3400を超えた。

3万6700の「いいね」を集めたのは「甘い朝食を食べて吐いた後に歯磨きをしている」というコメント。「でも先生、吐いた後は嫌な味がします」という声もある。

マヌシェリは「代わりに洗口液か水でゆすぎ、30~60分経ってから歯磨きを」と返答している。

「これまでの人生ずっと間違った歯磨きをしていた」というコメントもあった。

(翻訳:鈴木聖子)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、不法滞在者の送還拡大に言及 「全リソー

ビジネス

焦点:日鉄、巨額投資早期に回収か トランプ米政権の

ビジネス

香港取引所、東南アジア・中東企業の誘致目指す=CE

ワールド

米ミネソタ州議員射殺事件、容疑者なお逃走中 標的リ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中