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省エネ、働く意欲の向上、位置情報把握...最先端の「照明」でこんなことまで出来る

2024年9月20日(金)17時15分
西田嘉孝
オフィス照明

パナソニックEW社の照明ソリューション「メリハリ照明」のオフィスでの使用例。消費電力は均一照明の55%(省エネ)で、作業面は十分に明るく、周辺面は程よく明るい状態となっている。下の均一照明の写真と比べてみてほしい Photo: Panasonic Electric Works

<ウェルビーイングな空間演出を可能にする、パナソニックの新たな照明ソリューション。照明が「照らすだけ」の時代は終わった>

蛍光灯や白熱電球をLED照明に置き換えると消費電力を大きく減らせることは、多くの人がご存じだろう。普及は進んでおり、環境省によれば、全国で6割の世帯が居間でLED照明を使用している。

2016年に閣議決定された「地球温暖化対策計画」では、家庭やオフィス、工場などにおけるすべての照明を、2030年までにLED等の高効率照明に置き換えるという目標が掲げられた。LED化は、温室効果ガス削減に向けた国の重要な施策でもある。

照明といっても、その役割は「照らすこと」だけではない。「照明による省エネ」が今や当たり前になりつつあるのだ。

そしてその「当たり前」を超える照明もある。

8月下旬に開催された、パナソニック エレクトリックワークス社(以下、パナソニックEW社)の事業説明会。照明を軸にした空間提案・ソリューション提案の一例として、同社が今年から展開する「メリハリ照明」と、新たなソリューションである新無線照明制御システム「LiBecoM(リベコム)」が紹介された。

オフィス照明

上の写真と同じ場所で、均一照明を使った場合。一般的なオフィスの明るさかもしれないが、必要な部分を必要なだけ照らす「メリハリ照明」に換えることで、省エネ効果と従業員満足度アップの効果も期待できるという Photo: Panasonic Electric Works

必要なだけ照らす「メリハリ照明」で大きな省エネ効果

メリハリ照明とは、小型シーリングライトやスポットライト、フラットランプペンダントライトなど同社のLED照明を活用し、必要な部分を必要なだけ照らすという照明ソリューション。さらなる省エネと、空間価値の向上という2つのメリットがあるという。

例えばオフィスの執務スペースであれば、作業面をピンポイントで明るく照らし、周辺の明るさを抑えることで集中力がアップ。休憩スペースではリラックスに適した照明にするなど、利用環境に応じた照明演出を行うことができる。

「メリハリ照明を導入したオフィスでは、集中力やコミュニケーションの向上など、働く人々の意欲を掻き立てるような効果が期待できると同時に、電気代の削減も実現できます」と、パナソニックEW社ライティング事業部の山中直氏は説明する。

山中氏によれば、蛍光灯の均一照明をLEDのメリハリ照明に換えると60%以上、LEDの均一照明からの置き換えでも30%以上の省エネ効果が期待できる。

奈良県庁のパイロットオフィスなど多くの自治体や企業で導入が進んでおり、実際に「気軽に上長と話しやすい雰囲気になり、風通しが良くなった」「手元が明るく照らされ、集中しやすい空間になった」などと、空間演出のほうも評判は上々なようだ。

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