最新記事

中国経済

中国恒大集団、不動産管理子会社の株式売却が頓挫 資金繰りさらに厳しく

2021年10月21日(木)09時35分
中国の不動産開発大手、中国恒大集団のビル

経営危機に直面している中国の不動産開発大手、中国恒大集団は20日、恒大物業集団の50.1%の株式を売却する取引が頓挫したと発表した。9月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

経営危機に直面している中国の不動産開発大手、中国恒大集団は20日、不動産管理子会社である恒大物業集団の50.1%の株式を香港上場の不動産会社、ホプソン・デベロップメント・ホールディングス(合生創展集団)に200億4000万香港ドル(25億8000万米ドル)で売却する取引が頓挫したと発表した。

ロイターは19日、関係者の話として恒大物業集団の株式売却が保留されていると報じていた。

中国恒大は20日遅くに証券取引所に提出した資料で、ホプソンが恒大物業集団の株式売却に関する前提条件を満たしていないと信じるに足る理由があったとした。詳細は不明。

また別の提出資料で、中国恒大は保有する盛京銀行株式の売却以外に資産売却に関する大幅な進展はなかったと指摘。「流動性の問題を緩和する」措置を引き続き実施し、債権者との返済猶予などの交渉に向け最善の努力を行うとしたが、流動性改善を巡る不確実性などを考慮すると、「中国恒大が財務上の義務を果たすことができる保証はない」とした。

中国恒大の情報開示に先立ち、中国政府の当局者らは相次ぎ、不動産部門の債務問題が大規模な金融危機に発展することはないとの認識を表明し、住宅購入希望者や金融市場の懸念払拭に務めた。

劉鶴副首相は20日、北京のフォーラムで、国内不動産市場のリスクは全般に管理可能で、不動産業者の資本需要はかなりの部分が満たされているとの認識を示した。

中国証券監督管理委員会(証監会)の易会満主席は同じフォーラムで、当局はデフォルト(債務不履行)リスクに適切に対処し、より広範に過剰債務の抑制を目指すと語った。

「『高レバレッジ』を通じた過剰な資金調達を回避するため、借り入れによる資金調達を制限する仕組みの効果を高める必要がある」と語った。

中国恒大は既に期日を迎えた2022年3月償還債の利払いを実行しておらず、猶予期間が終了する25日までに利払いを行わなければ、正式にデフォルトに陥る。

ホプソンは証取への提出資料で、恒大物業の株式取得に向けて準備ができていたが、13日に中国恒大から取引打ち切りの通知を受けたと説明。

中国恒大、恒大物業集団、ホプソンの株式取引は4日から停止されているが、3社は香港市場で21日からの取引再開を要請したと明らかにした。

一方、格付け大手ムーディーズは中国の別の不動産会社、セントラル・チャイナ・リアル・エステート(建業地産)の信用格付けを引き下げたと発表。中国の不動産業者の格下げが相次いでいる。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・中国の不動産バブルは弾けるか? 恒大集団の破綻が経済戦略の転換点に
・中国製スマホ「早急に処分を」リトアニアが重大なリスクを警告
・武漢研究所、遺伝子操作でヒトへの感染力を強める実験を計画していた



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:イラン戦争でインフレ再燃、トランプ政権に

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、中東停戦維持期待で安全資産

ワールド

イラン交渉団がパキスタン到着、レバノン停戦要求 米

ビジネス

米国株式市場=まちまち、中東交渉控え様子見 ハイテ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 8
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中