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韓国サムスン、インドのスマホ市場で巻き返し 反中感情が追い風に

2020年8月10日(月)11時21分

韓国のサムスン電子が、中国勢に押されるインドのスマートフォン市場で巻き返しに出ている。写真はインドのノイダにあるサムスンの製造施設前で2018年7月撮影(2020年 ロイター/Adnan Abidi)

韓国のサムスン電子が、小米集団(シャオミ)などの中国勢に押されるインドのスマートフォン市場で巻き返しに出ている。新型コロナウイルス危機でオンラインの活動が増えているのを背景に、格安スマホの新機種を取りそろえて挑む。

6月にインドと中国の国境付近で軍事衝突が起こり、反中感情が高まっていることも追い風となりそうだ。

インドのスマホ市場において、サムスンは中国企業以外で唯一の主要勢力。調査会社カウンターポイントによると、サムスンは第2・四半期のシェアが26%と、シャオミの29%に次いで2位に躍り出た。前期はシェア16%で3位だった。


サムスンは過去数年間、割安感のある中国ブランドにシェアを奪われてきた。ただカウンターポイントによると、インドは同社の個人向けスマホ売り上げが年間約75億ドル(約8000億円)と、米国に次ぐ巨大市場だ。

同社はニューデリー近郊に「世界最大の」スマホ製造プラントを持っており、新製品のテストや輸出用機器の組み立てを行っている。

この生産力に加え、社内で多くの部品を調達できる体制が、新型コロナ危機下でのシェア拡大に寄与した。中国のシャオミとOPPO(オッポ)は生産に支障が出て出荷が遅れたが、サムスンは円滑に出荷を続けることができた。

サムスンはこの流れに弾みをつけようと、6月以来7つの新機種を導入。うち3機種は価格が1万ルピー(133.63ドル、約1万4000円)未満で、最も安いアンドロイド版は75ドルだ。

サムスンのインド戦略に詳しい筋は「新型コロナ危機により、オンライン教育からデジタル決済、はては友達とつながるための電話会議まで、あらゆる事にスマホが使われるようになった。マス市場で格安スマホに注目が集まったのはこのためだ」と語る。

サムスン広報担当者は、インドでは同社製スマホの需要が旺盛で、昨年に比べて増収を期待していると説明した。


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