最新記事

日韓関係

韓国、日本の輸出管理めぐりWTO紛争処理手続きを再開へ 

2020年6月2日(火)16時03分

韓国産業通商資源省は2日、日本の輸出管理を巡る紛争処理手続きの再開を決めたと表明した。写真は都内の港で昨年5月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

韓国産業通商資源省は2日、日本の輸出管理を巡り世界貿易機関(WTO)での紛争処理手続きの再開を決めたと表明した。紛争解決に向けた両国の協議が進展しなかったためとしている。ただ、WTO手続きを進める間も日本との対話は継続する方針だ。

両国関係は、韓国人元徴用工問題で冷え込んだ。昨年7月、日本は半導体・ディスプレー製造に利用される材料3品目の韓国への輸出管理を導入。これを巡って韓国は昨年9月、WTOに提訴していたが、同年11月、協議をさらに進めるために手続きを停止した。

韓国産業通商資源省は声明文で「日本政府は問題解決へのコミットメントを示さず、未解決問題の解決に向けた協議は進展していない」と表明。

産業通商資源省の羅承植・貿易投資室長は会見で「政府は、WTO手続きを一時停止する条件だった、通常の対話を通じた解決は困難との結論に至った。WTOの手続きを通じて、日本の措置の違法性や不公正さを証明し、国際社会に理解を求めていく」と述べた。

日本の経済産業省は「詳細を見て対応を決めたい」とコメント。菅義偉官房長官は会見で、韓国がWTO手続き再開したことは極めて遺憾とし「日本の輸出管理はWTO協定と整合的であり、しっかりと説明してきたい」と述べた。

梶山弘志経済産業相は閣議後会見で、韓国が日本に対して輸出管理を正常化するように求めていることに関連して、輸出管理は総合的に評価して運用するものとの従来からの考えを示した上で「(韓国とは)しっかりと対話できている」と述べていた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20200609issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月9日号(6月2日発売)は「検証:日本モデル」特集。新型コロナで日本のやり方は正しかったのか? 感染症の専門家と考えるパンデミック対策。特別寄稿 西浦博・北大教授:「8割おじさん」の数理モデル

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EXCLUSIVE-ボストン連銀総裁、積極的利下げ

ワールド

トランプ氏、ガザ・ウクライナ紛争継続に言及 軍幹部

ワールド

米の対中関税率55%は「適切な現状」=USTR代表

ビジネス

ファイザーと薬価引き下げで合意、関税減免と引き換え
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけではない...領空侵犯した意外な国とその目的は?
  • 3
    【クイズ】身長272cm...人類史上、最も身長の高かった男性は「どこの国」出身?
  • 4
    10代女子を襲う「トンデモ性知識」の波...15歳を装っ…
  • 5
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 6
    通勤費が高すぎて...「棺桶のような場所」で寝泊まり…
  • 7
    カーク暗殺の直後から「極左」批判...トランプ政権が…
  • 8
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    博物館や美術館をうまく楽しめない人は...国立民族学…
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 3
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒りの動画」投稿も...「わがまま」と批判の声
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 6
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中