最新記事

日本社会

レジ袋有料化、7月開始に先駆け実証実験 経産省・財務省が辞退率の変化など検証

2020年1月24日(金)12時33分

今年7月からのレジ袋有料化に向けて、経済産業省や財務省のコンビニにおいて、「ナッジ」という行動経済学の手法を用いた実証実験を行う。写真はレジ袋。カナダのオタワで昨年7月撮影(2020年 ロイター/Chris Wattie)

今年7月からのレジ袋有料化に向けて、経済産業省や財務省のコンビニにおいて、「ナッジ」という行動経済学の手法を用いた実証実験を行う。レジ袋の辞退・必要など異なるカードを設置し、辞退率の差などを検証する。

実験は27日から3週間程度実施する。経産省のコンビニでは、レジ袋を必要とする客が提示するカードにごみが海岸に漂着した写真を付けた。外務省では「レジ袋規制を導入する国は60カ国以上になっています」との文言を挿入。また、特許庁ではレジ袋を必要とする客、財務省ではレジ袋が不要な客がカードを提示するとの差をつけた。

経産省幹部は「それぞれ違うカードにすることで、どの程度の辞退率につながるか検証する。自らの行動がどういう結果につながるか、ひとりひとりが考える機会になってほしい」と述べている。

経産省は、実証実験などを踏まえ、2月25日から有料化の前倒し実施を行う予定。

「ナッジ理論」は、小さなきっかけを与えることで人の行動を変えるというもので、ロンドンでタバコの吸い殻のポイ捨てを減らすために使われたことで有名な手法。「世界で一番のサッカー選手は誰」という箱にロナウドとメッシの名前が書かれ、タバコの吸い殻で投票することで、ポイ捨てが激減した。

(清水律子)

[東京 24日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

メタがアプリ買収巡る反トラスト法訴訟で勝訴、地裁は

ビジネス

9月機械受注は前月比4.2%増、基調判断は据え置き

ビジネス

日経平均は反発で寄り付く、足元マイナス圏 注目イベ

ワールド

トランプ氏、ABCの免許取り消し要求 エプスタイン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中