コラム

脱北女性が自ら語った驚きの半生/is only half the battle(終わりではない)

2017年05月15日(月)19時01分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
My Escape From North Korea
https://www.ted.com/talks/hyeonseo_lee_my_escape_from_north_korea

登壇者:イ・ヒョンソ

北朝鮮で過ごした子供時代、イ・ヒョンソ氏は外の世界についてまったく知識がなく、自分の国は地球で一番良いところだと信じて疑わなかった。しかし、90年代に起きた飢饉でショッキングな光景を目にし、以来、彼女は疑問を持ち始める。そして14歳の時に中国への脱出に成功するのだが、彼女の苦労は脱北後も続いたのであった。

彼女が韓国で自分の生活を新たに始めようとしていたころ、家族が脅迫され逃げる必要が生じたため、彼女は家族の脱北を手伝った。このTEDトークで話されている内容を聞くと、まだ若いながら、想像もつかないような恐ろしい状況を乗り越えてきた彼女には驚きしかないだろう。

北朝鮮に世界から注目が集まっている現在、このTEDトークは北朝鮮政府の残酷さと市民の生活の厳しさを再認識するきっかけになるであろう。なお、世界中に難民が増えている中で、難民たちがどれほど大変な道を歩んでいるのかを考える材料にもなる。

【参考記事】脱北少女は中国で「奴隷」となり、やがて韓国で「人権問題の顔」となった
【参考記事】中国で性奴隷にされる脱北女性
【参考記事】韓国でも性的搾取、脱北女性の厳しい現実

キーフレーズ解説

~is only half the battle
~をしても半分終わっただけである、終わりではない、まだ始まったばかりだ
(動画10:51より)

何かの障壁を乗り越えたり難しいハードルをクリアしたりしても、その後、さらにまたしなければならないことが残っている場合、この表現が使われます。使い方としては、最初に乗り越えた障壁などを述べた後、is only half the battleを続けて言います。意味としては、努力がまだまだ必要だ、頑張り続ける必要がある、ということを示します。

イ氏は、韓国まで無事に逃げられた後でも、たくさんの障壁をまだ乗り越えなければならない北朝鮮難民の話をする際、But getting to freedom is only half the battle(自由な場所まで行ったとしても、それで終わりではない)と述べています。

この表現を用いた例をいくつかご紹介します:

●Getting accepted to college is only half the battle. Then you have to figure out how to pay for it.
(大学に合格しても、それは終わりではない。これからどうやって学費を払うかを考える必要がある)

●Macron's election victory is only half the battle, now he needs to get legislative seats for his party in the upcoming parliamentary election.
(マクロン氏は選挙で勝利したが、彼にとってはそれはただの始まりに過ぎない。次は、今度の議会選挙で自身の政党の議席を確保する必要がある)

●Losing weight is only half the battle --- then you have to keep it off!
(体重を減らしてもそれはまだ終わりではない――減量をこれからも続ける必要がある!)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

キューバで大規模停電、1000万人に影響 抗議デモ

ワールド

米側から具体的な派遣要請ない=ホルムズ海峡船舶護衛

ビジネス

基調的な物価上昇率、2%に向けて緩やかに上昇=植田

ワールド

マクロスコープ:停戦はいつ?紛争から選挙まで「賭け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 3
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story