トランプ氏「ウクライナの代理として交渉せず」、首脳会談「成果期待」

トランプ米大統領は15日、大統領専用機でワシントンを出発し、米ロ首脳会談が開催されるアラスカ州アンカレジに向かった。写真はワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地で専用機に登場するトランプ大統領(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[米大統領専用機 15日 ロイター] - トランプ米大統領は15日、この日に米アラスカ州で実施するロシアのプーチン大統領との会談で、ウクライナの代理として交渉することはないと述べ、ウクライナに「領土交換」に関与するか判断を委ねる考えを示した。
トランプ氏は首脳会談が開催されるアンカレジに向けて、大統領専用機でワシントンを出発。大統領専用機内で記者団に対し、当事者であるロシアとウクライナをまず交渉の場に着かせることを目標にしており、いかなる「領土交換」を巡る協議もその後に実施するべきとの考えを示し、「(領土問題は)協議の対象にはなるが、決定はウクライナに委ねなければならない。ウクライナは適切な判断を下すと考えている。ただ、私はウクライナに代わって交渉するためにアラスカに行くのではない。彼らを交渉の席に着かせるためにアラスカに向かっている」と述べた。
ロシアがウクライナに攻撃し続けていることについては「プーチン大統領はそれが交渉で有利になると考えているが、私はそれが彼にとってマイナスになると思う」と述べた。ウクライナへの安全の保証については、欧州と協力することも可能との認識を示した。
その上で、懸案の大きさやロシア経済の脆弱さを踏まえると、プーチン氏とのこの日の会談で成果を得られるとの見方を表明。「プーチン氏は賢明な人物で、長く大統領職にある。われわれはうまくやっており、相互に十分な敬意がある。何らかの成果が得られると考えている」と述べた。
プーチン氏が経済界の代表団を伴ってアラスカを訪問することは歓迎すべき兆候との見方をしたものの、ロシア・ウクライナ戦争が決着するまで「ビジネスは進まない」と語った。
トランプ氏は出発前、「重大な局面」と自身の交流サイト(SNS)ソーシャルメディアに投稿。ホワイトハウスによると、ルビオ国務長官、ベセント財務長官、ラトニック商務長官、ラトクリフ中央情報局(CIA)長官が同行している。