子どもの健康巡る米政府報告書、存在しない研究引用 報道受け修正

子どもの健康に関する米政府のリポートが結論を裏付けるために存在しない科学的研究を引用していたことが、メディア報道と一部執筆者らの発言で明らかになった。写真はケネディ厚生長官。ホワイトハウスで22日撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
Renee Hickman
[29日 ロイター] - 子どもの健康に関する米政府のリポートが結論を裏付けるために存在しない科学的研究を引用していたことが、メディア報道と一部執筆者らの発言で明らかになった。
リポートは、ケネディ厚生長官が率いる「MAHA(Make America Healthy Again=米国を再び健康に)」委員会が作成し、先週公表された。
加工食品、化学物質、ストレス、薬やワクチンの過剰処方が米国の子どもの慢性疾患の要因となっている可能性があるとし、根拠として約500件の研究を引用した。
デジタルニュースメディアNOTUSは29日、リポートの脚注に記載されている7件の研究が存在せず、リンク切れや結論の誤りも見つかったと報じ、引用の誤りを指摘した。
ホワイトハウスのレビット報道官は記者団に、引用の誤りは「フォーマットの問題」が原因と釈明。政府は同日中に修正版のリポートを公開したと発表した。
厚生省は「わが国の子どもたちを苦しめている慢性疾患の拡大を理解するための連邦政府による歴史的かつ変革的評価というMAHAリポートの本質は変わらない」と述べた。